池波正太郎をめざして

明日は明日の風が吹く

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邪馬台国論争に終止符? ブログを書く上でも役に立つよ。「卑弥呼と天皇制」

 通常営業のまさりんです。

 このブログはノートパソコンで書いているんですけど、私のノートは大きいんですよね。キーボードの大きさでいうと、数字のキーもあるんです。そこが気に入って購入をきめたんですけどね。膝に乗っけて打つにはちょっと大きすぎる。重いし。もう少し小さいものか、タブレットを購入しようと思ってます。でも、はてなブログを書こう、読もうと思ったら、結構良いPCじゃないと、重いですよね。

 はー、雨が多いね。ジョギングしたいんですけど、今日も駄目かなぁ。ジム入るべきかな。

 

 

 今回は新書を読んだのでその感想を書く。

 手元に付箋だらけの新書「卑弥呼天皇制」という本がある。こういうタイトルだと、ネット系の右系の人たちが喜びそうな感じがするかもしれないが、中身はそうではない。

 この本を書いた小路田(こじた)泰直氏は前著も読んだ。前著は「邪馬台国と『鉄の道』」という本で、邪馬台国の存在していた場所を特定した本だ。もちろん、特定しているのであるが、学会などで定説には至っていないのだろう。

 ちなみに私は、邪馬台国は伊勢に存在した国なんじゃないかと思っていた。つまり、広義の近畿説だ。なぜなら、自分たちの祖先を祀った神社を、本拠地から遠隔地に置くとは思えないからだ。実はこれについても今回は一定の謎解きがある。

 

 小路田氏がこの邪馬台国問題に取り組んだきっかけは違和感であった。実は一九一〇年に邪馬台国畿内説と九州説の論争が開始される。この一九一〇年という年が重要である。日露戦争後、一応西洋の列強国にアジアで一番に入った日本は、自国がアジアの国であるというアイデンティティが邪魔になってきたと小路田氏は説く。これが完成されるには、より日本は東アジアの影響が少ないという方が都合が良かった。非中国的だとした方が良かったのだ。

 それに対して警鐘を鳴らしたのが夏目漱石だった。著書『三四郎』のワンシーンに書いてある。長いので引用はしないが、三四郎が東京に向かう列車のなかで会った髭の男との会話のシーンである。「日本で誇れるのは富士山くらいなものだ」、という話や「日本はこれから発展するでしょう」という三四郎の問いに、男は「亡びるね」と答えたりする。「日本の国を思っているようでいたって、贔屓の引倒しでは仕方がない」ということだ。脱亜入欧だと騒いだって、アジアの一国なのは変わらないのだし、開いた差がそう簡単に埋まるもんじゃない、と言いたいのだろう。実際に漱石はロンドンで発狂寸前まで英国文学と格闘し、文学という観点から覇権国だったイギリスを見てきた。その男がそう言っているのである。ただ、三四郎が言っているのだが、この髭の男のような人物は珍しくなっていた。

 歴史はイデオロギーと深い関係がある。邪馬台国論争では、魏志倭人伝にある邪馬台国に至る行程では畿内にはたどり着けないということを逆手にとって、九州説を押した。九州に邪馬台国があり、それが中国と交易してアジアの影響を受けているとすれば、九州以外の地域は中国の影響をあまり受けていないことになる。

 戦後は、やがて第二次世界大戦に至る、イデオロギーの源泉となってしまった(もちろんそういう意図で書かれたわけではない)日本書紀古事記を軽視することにより、邪馬台国論争自体が、軽視されてしまった。好事家の仕事になってしまったのだ。根底には戦前の全てを否定したいというイデオロギーが潜む。それに小路田氏は大いに疑問を持った。

 そして、魏志倭人伝の謎を解決する。だが、それは別に新しい「論」ではない。それ自体は大正時代には存在していたらしい。が、イデオロギーと合致しない結論を招くので黙殺されていた。

 長く書いたが、邪馬台国論争から始まって、卑弥呼が貴い犠牲を払って行ったことの理由や、様々な女性の犠牲が天皇制確立に繋がっていったということを、記紀や様々な情報から推測していく。

 

 実はこの本を前に私は途方に暮れていた。とても紹介しきれない気がしたのだ。全部書いてしまうなら別だ。だが、肝心な部分を隠しつつ書くのは至難の業だと思ってしまった。なんとか書けて良かった。

 ブログを書く上でもとても役に立つ本だと思う。情報をどのように加工していくのかというのは、知っておいた方が良い。例えば、邪馬台国の場所の特定には、記紀の他にも地名というのが重要な鍵になる。古代の痕跡が残っているのだ。これもキュレーション?

 神話というのはその文化圏の基本的な思考や傾向を示している。そう考えると、この本はショッキングでもある。是非、一読を!

 

卑弥呼と天皇制 (歴史新書y)

卑弥呼と天皇制 (歴史新書y)

 

 

 

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