池波正太郎をめざして

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明日は明日の風が吹く

今の心境にあわせてブログ名を変更しました。どうぞよろしく。肩の力をさらに抜いてやります。

村上龍も村上春樹も北野武も一緒なのかもね。

 昼食を食べているときに、口の中でずるりと何かが外れる感覚がありました。そう、歯の詰め物が取れたまさりんです。あれやな感じですよね。歯ごと取れちゃった感じがして。それで、取れた詰め物をガキンと噛んじゃって。

通っている歯医者がとても融通の利くところで、即日対処をしてくれて(別に流行っていないわけではないと思う)、ついでに他の部分までなおしてくれました。また通わなければいけないのかと思って、ぞっとしてしまったのですが、一日で終わって良かった。

 

 

 今日は北野武監督の「HANABI」についての感想を書く。この作品はヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した作品だ。

 ストーリーは、不治の病を持ち余命幾ばくもない妻(岸本加世子)を持つ、刑事西(ビートたけし)。とある事件で殺人事件の犯人が自宅に現われるのを張り込んでいた。その役割を変わった堀部(大杉漣)は、犯人(薬師寺保栄)に撃たれてしまう。堀部は一命は取り留めたのだが、車いす生活を余儀なくされる。

 他にも同僚が撃たれ、こちらは命を落とす。そのまま西は刑事を止めてしまう。そしてやくざから金を借りるようになる。妻を不自由なく生活させるためだ。はっきり描かれていないが、堀部に画材を買い与え、死んだ刑事の妻の生活を面倒見ていたと思われる。だが、無職故に当然返済が滞るようになる。

 ここからが北野武らしい、冷たい諧謔とアーティスティックな要素が出てくるところだ。堀部は西から買い与えられた画材で絵を描き始める。それが作中、印象的に挿入される。例えば花屋でヒマワリを見ているうちに、動物の頭部がヒマワリになっているのを想像し、それを絵にする。点描画で表現した海辺に立つ後ろ姿の女性、直接的に関係ない絵が、至るところに登場する。

 金に困った西は、車の解体屋(渡辺哲)から、盗難車のタクシーを捨て値で買う。「銀行強盗しようかと思って」と、西は笑う。解体屋は「がんばれよ」とエールを送る。タクシーの塗装をパトカーに塗り替え、モデルガンを改造してけん銃を作り(殺傷能力はないだろう)、本当に銀行強盗をする。その金をやくざに返し(というより送りつけ)、「旅行がしたい」という妻を連れて、逃避行に出る。それをかつての同僚と、やくざが追う。

 妻と西の関係が物語の始めと旅行に出てから変化する。始めは入院中で死んだようになっている。それを主治医のすすめで退院して、自宅に帰る。始めはやはり無表情であったが、刑事を辞め、西が妻と向き合うようになって変化していく。そして、旅行中はたけしらしい小ボケを連発して笑わせる。徐々に妻は笑顔になっていく。二人はほとんど会話らしい会話をしない。それがまた良いのである。もう今はこういうダンディズムというか、ハードボイルドは流行らないのであるが、二人の関係を見ていると「いいな」と思ってしまう。だが、二人は幸福な旅行をしている夫婦ではなく、逃避行を繰り返す夫婦なのである。「ナチュラルボーンキラー」のようであるが、あの静かさがたけしらしいと思ってしまう。

 この作品で国際的な知名度を得たのであるが、北野はここにいたるまで数作の作品を作っている。松本人志もこうなっていけば良いと思う。あえて二人の差を上げるとすれば、それは映像に対するこだわりなのかもしれない。北野の映像が完成しつつあるというのを感じさせる、本作品である。

 

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 ただ、村上春樹も言っていたが、それは本人の持っている材料で必死にやっているだけなのかもしれない。必死に新しい物を追い、取り入れ消化し、映像に投下する。それを一生懸命にやっていた。それだけなのかもしれない。もちろん、松本人志が必死にやっていないとは思わないが。

 「必死にやっているだけだ」ということを村上龍も言っていたのを思い出した。特に長い間やっている作家はそうだが、ずっと同じモチーフを言っていたりする。それを手を変え品を変え、様々な設定で表現していく。

 そうすると、本なら読者、映画なら観衆が、気付いていくのだろう。「コイツのいいたいことはこれだ」って。松本人志の場合、作品数が少ないのかもしれない。意外とコントもやってないしね。志村けん内村光良と比べても本数が少ないかもしれない。たくさん出てくると、また評価が変わるのだろう。

 

 

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