今日の十分日記

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原点回帰の雑記ブログ。十分で書ける内容をお届けします。十分以上書くときもあるけどね。十分以下もあるし。

「モネ展」2015 に行ってきました。リラックスしました。

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 惰眠の秋のまさりんです。

 「読書の秋」、「食欲の秋」、「スポーツの秋」、世間にはいろいろな「秋」がありますが、私にとっては「惰眠の秋」ですね。やっぱし。暑い夏でもクーラーのおかげで暑くはないですが、なんとなく熟睡はできませんよね。昔はこの暑さが過ぎたタイミングで、泥棒が増えたそうです。みんな眠りこけるので。大いびきをかいているうちに、お宝をごっそり盗むそうです。鬼平犯科帳からの情報でした。

 

 

 昨日、東京都美術館で開催されている、「モネ展」に行ってきました。 モネ展といえば、頻繁にやっているイメージがあるのですが、行ったことはなかったので、この際行ってみました。

東京都美術館モネ展看板

 混雑しているかなと思ったのですが、平日の午前中にさっと行ってきたので、さほど混んではいませんでした。でも、出てきたときはちょうど昼時、徐々に人が集まりつつありました。情報をチェックしてみると、シルバーウィーク中は混雑しているようでした。上手く情報をチェックして行ってみてください。四十分かかったというのを書いていたブログを見た覚えもあります。

雨の上野公園

 内容に触れてみましょう。

 この展覧会は年代によって、モネの作風がどのように変化していくかがわかる内容になっています。作品は「マンハッタン・モネ美術館」所蔵のものです。九十作品あります。これらの作品はモネの息子のミシェルから寄贈されたものだそうです。モネは友人や師匠、おして自己の作品を売らずに、多く手元に残しておいたそうです。それを息子がモネの死後に寄贈したのです。

 

 1,十代、カリカチュア

 カリカチュアとは風刺画を意味します。よく日本史の図表にありましたよね。政治家とか日本人、清国人などが頭でっかちで描かれているものが。ここでいうカリカチュアとはこれを指します。これがうまい。十代が描いたとは思えない出来映えです。なんと、絵は売れたそうです。すごいですね。東山魁夷が十代に描いた自画像を見たことがあります、と以前書いたかもしれませんが、同じように誰が見ても、「コイツはすごい」と素直に思える才能がモネにはありました。それを師匠が発見します。

 ウジェーヌ・ブーダンという人が師匠の名前です。ブーダンは「空の王者」と異名を取る人で、モネに風景画を描くように勧めます。「カリカチュアにはそのうち飽きる」と言ったそうです。

 ここでは、先生の風刺画などが展示されていますが、確かに上手いです。特徴を誇張して書くということは、それだけの観察眼があったということでしょう。

 2,三十代、四十代、風景画

 普仏戦争が起こると兵役を避けるためにロンドンに移住します。そこではあまり絵を描かなかったそうです。ロンドン・オランダ・アルジャントゥイユと移り住みます。

 作品でも「オランダのチューリップ畑」、「雪の効果、日没」、「鉄道橋」などの作品が展示されています。

 個人的には、手伝いをしていた元漁師を描いた、「ポリーの肖像」が好きでした。なんとなく、愛嬌のある風貌で、モネの視線が感じられる作品です。

 印象派という名前は、ある作品への悪口でつけられた名前です。この展覧会ではそれがメインの作品として展示されています。「印象、日の出」という作品です。本物の作品と、それの写真との違いがどこにあるかと言えば、「見る角度による変化」だと思います。油絵というのは、盛りつけるように色をつけるので、それがどういう角度だとどう光るかというのをある程度計算しているのではないか、と思います。そして、実際にそれを見ると、はっきりその絵の主題がわかるのです。フェルメール展でもそうでした。念願の「真珠の耳飾りの少女」を見ましたが、はっきりと耳飾りが光る角度があるのです。

 この作品では、はっきりと日の出が光っていました。ちょっと離れた距離だとそう感じます。そして、有名な作品だとある、「立ち止らないで見てください」という列に並んで近づいて見てみると、それがものすごく単純化された筆致なのがわかります。この時点で、抽象化されているです。それに感動しました。

 モネ展では、近づいたり、遠ざかったり、色々な角度で見るといいです。そのためには、時間帯のチョイスは大切だと思います。「印象、日の出」もほとんど並ばないで見られました。

 3,睡蓮のある庭

 このあと、影響を受けたドラクロア、師匠のブーダンの作品など、モネが所蔵している作品などが並びます。これは割愛。

 いきなり大作が眼前に現われます。ひとつは赤い色調の絵、もう一つは青い色調の絵、ともに水面に浮かんでいる睡蓮が写ります。

 近づくと単純化された記号のような筆致なのですが、しっかりと睡蓮です。

 ジヴェルニーの家には、モネは庭にこだわりました。浮世絵など日本の文化に影響されたモネは、日本の太鼓橋などを庭に入れました。庭には多くの花を植えました。アイリス、キスゲなど、季節によって様々な花が咲き乱れます。庭の専門家・・・・・・、誰だっけなあ。名前が飛んじゃったけど、その人がこれはモネの最高傑作だ、的なことを言ったそうです。

 好きだったのは、一番最初に出てきた、「睡蓮」の二つと、水面に浮かぶ小舟と水に揺れる水草の対比が面白い「小舟」が良かったと思います。

 

 4,最晩年 抽象化された睡蓮のある庭

 晩年になると、白内障になってしまいます。その影響で自然の見え方が変わってしまいます。これが大きな影響を与えたのか、色柄が変わってしまいます。燃え上がるような赤を基調とします。描き方もさらに抽象的になります。

 ここにモネが最晩年に使った眼鏡が展示されているのですが、手術の影響で色の見え方が変化したのをフォローするために、片側のレンズが黄色になっていました。

 個人的には、「日本の橋」「バラの小道」の作品群? が好きでした。睡蓮もそうですが、モネは同じモチーフを様々な時間に描いたという作品が沢山あるのです。

 

 当日券は一六〇〇円でしたが、それだけの見応えがある展覧会だと思います。上野の駅のなかで当日券を買ったのですが、「高校生 無料」の表示を見て、うらやましく思いました。私は東京の美術館までは頻繁に来れなかったけれど、東京に住んでいたら、来まくっていただろうなと思いました。

 

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