今日の十分日記

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原点回帰の雑記ブログ。十分で書ける内容をお届けします。十分以上書くときもあるけどね。十分以下もあるし。

村上隆の五百羅漢図展にいってきました。ありがたや。

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 花粉が飛ぶ時期になって、鼻づまりが解消され、快調になったまさりんです。

 どういうこっちゃ。

 

 先週の金曜日、二月十九日、東京六本木の森美術館で開催されている、「村上隆五百羅漢図展」に行ってきました。

 ガンダム展以来のヒルズでした。

 らせん階段をのぼると、コンコースがあり、その先に当日券の販売所があります。階段を上ったところから、制服を着た女性が「この先に当日券の販売所があります。二列にお並びになってお進み下さい」と声を張り上げていました。

 いやな予感がしました。その張り上げる声のテンションが、「混んでいます」と告げていたからです。百メートルもないコンコースの途中で人の流れは止まりました。内心「嘘だろ? 平日の昼間だぜ」と思いつつ、先を見ると、人集りが見えました。人集りは螺旋にうごいている様子も見えました。つまり混んでいるということです。

 あらら・・・・・・、見るの止めようかな。

 でも、村上隆の方が混んでいなかったらどうしようと思ったのです。というのも、森美術館では村上隆と「フェルメールレンブラント展」が開催されているのです。結論から言うと、そちらが混んでいました。そこから延々三〇分くらい並びました。しかし、別コースの前売り券所有者のコースはスキスキでした。もしも、村上隆でもフェルメールでも、どちらを見に行く場合も、前売り券を入手していった方がいいです。待ち時間に雲泥の差が出ます。

 

 さて、今回は村上隆の作成した五百羅漢図がメインの展覧会です。この五百羅漢図を作成するきっかけは、二〇一一年の東日本大震災だそうです。自身で無常観を抱いた人は多いと思いますが、同時に村上はそんな我々には物語が必要だと思ったそうです。

 五百羅漢とは、「仏陀に付き添った五百人の弟子。また仏滅後の結集(「けつじゅう」仏典の編纂のこと)に集まった弟子が五〇〇人だったことに由来」するのだそうです。それぞれが超能力をもっていたそうです。

 それを村上は、幅一〇〇メートル、高さも数メートルある、巨大な作品として制作しました。総指揮を村上が執り指示を出しつつ、全国の大学院生を集結させ、二十四時間体制で作成したそうです。その下絵や指示書も展示されています。「指示通りやれ、ボケ」という殴り書きがあったりして、とてもヒューマニズムに溢れた現場であった(実際は壮絶でしょう)ことが分かります。

 作品は四つのパートに分かれています。

youtu.be

 白虎・青龍・玄武・朱雀です。

 それぞれが巨大の一幅の絵なのです。

youtu.be

 <白虎>

 広告などで出ているのは、白虎です。羅漢が並んでいる後ろで、炎の波がうねっている絵です。白い猫のような虎。象。炎の恐ろしさと対照的に、羅漢や白虎、象はとても悠々としています。

 <青龍>

 一転して、白地の背景に龍、白沢(はくたく)が描かれています。

 白沢とは中国の聖獣。身体に八つの目を持ち、理想的な為政者のもとに現れる。龍と白沢、白く大きく口を開ける鯨、その間で優雅に舞う羅漢たち。

 内部は撮影フリーでした。しかし、画像は「非営利目で使用せよ」という但し書きがありました。一応、このサイトはアドセンスなどを使用しているので、内部で撮影した者はあまり使用しないようにしましょう。残念ですが。

 <玄武>

 玄武はご存じ亀のこと。しかし、この作品に亀は書かれていません。玄武の甲羅の上に立っているといわれる仙人界の山、玄武に巻き付いている蛇を龍という形で描いています。山を赤鬼と青鬼が挟みます。そしてスクロールしていくと宮崎駿もののけ姫」に出てくる、シシ神様から着想を得たと思われる鹿が出てきます。

 そして初公開となるものも、ここにあります。

 <朱雀>

 中央に手塚治虫火の鳥から着想を得た朱雀が飛んでいます。背後は宇宙を思わせる漆黒の空間です。空間にオーロラ、太陽系、そして天女が浮かんでいるところで、羅漢たちが瞑想をしています。また他の羅漢たちはカンフー的な動きをしています。

 

 現世の業火のなかで修行を続け、仙人たちの境地などにいたり、最終的に宇宙、悟りの境地に至るという連関がある作品群だったと思います。

 見ていて思ったのは、「すごくめでたい」絵だなと思ったことです。見ていて、にこにこしてしまうのです。現代的なアニメや漫画の影響を受けていることもあるのかもしれません。見ていたおばあさん二人が、「慈悲深いわねー」「ほんとねー」と言っていたのを後ろから拝見していて、もしかすると、この作品群は現代絵画の域を出て、宗教画の域に入っているのかな、と思っていました。以前見に行った阿修羅像の前ではおばあさんが何人も手を合わせていました。もしかして、とちょっと見回しましたが、さすがにそういう人はいませんでした。

 調べてみると、この五百羅漢図、カタールの王女様のためにも作ったようですよ。「是非展覧会を開いてくれ」と村上氏用の美術館まで作ってくれたので、お礼に作ろうと思ったみたいです。なんと、一年間で作成したそうですよ。

 展覧会では、他にも「円相シリーズ」「DOBくんシリーズ」、の新作もあります。それにこの作品群を生み出すきっかけとなった、辻惟雄との絵合わせで作成した作品もあります。絵合わせとは、一点ずつ絵を提示して、優劣を競う遊びです。ここでは辻氏が先に提示した絵に対し、村上氏がアレンジしたりした絵を作成しています。この村上氏のアレンジが、硬軟取り合わせていておもしろい。逆さ吊りになった、裸の村上氏には笑ってしまいました。

 なぜか癒やしの空気満点です。疲れている方どうぞ。前売り券買っていってね。三月六日までやっていますよ。

 

 

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