池波正太郎をめざして

明日は明日の風が吹く

今の心境にあわせてブログ名を変更しました。どうぞよろしく。肩の力をさらに抜いてやります。

小説「さよならの決意」取材記

 

まさりんです。

なんとも調子が悪いのであるが、その間隙を縫うようにして、先日出した最後の短編小説の集い用の作品「さよならの決意」のために、隅田川沿いの桜を身に行ってきた。

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隅田川沿いの桜は有名であるが、行ったことはなかった。まだ開花していない時期であったので、それなら人混みもなかろうと、自転車に乗って行ってきた。ここの川沿いのデッキは隅田川テラス。自転車に乗ってはいけなさそうだったので、引いて歩いた。

まだ肌寒かった。

が、人もあまり居ないので逆に行楽には快適だった。

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隅田川には多くの架橋がある、その一つであるが、名前は忘れた。何かに使うだろうと思って、一応撮っておいた。

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両国の辺り。

 

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吾妻橋。それとサッポロビールの社屋の上にあるのは、通称う〇こ。

 

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テラスを抜けると、川沿いに隅田公園がある。

川の両端に桜が植えられている。

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作品でも書いたが、桜よりも菜の花の方が印象にあった。

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高速道路。

こういう高架の高速は走る分には気持ちが良いだろうね。けれども、地元の人はどう思っているのか。もう慣れっこか。

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桜並木が切れてしばらく進むと、長命寺の桜もちの店がある。

長命寺の裏手である。

作品中は桜が咲いているのに、コウスケ・シホは桜を食べていたが、実際にはシーズン中は食べるところは閉鎖されている。

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隅田川沿いから外れて少し走ると、お寺の前に地図があり、この辺りに文人が多く居を構えていたことを知る。

写真の蝸牛庵は幸田露伴の家。こちらは目的地ではなかった。が、すぐに見つかった。

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蝸牛庵の碑がある児童公園。

 

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吉川英治の小説が好きだったので、彼の住んでいた家がこの辺にあると聞いて、是非見てみたかった。蝸牛庵に比べて扱いが小さい。

家の後には保育園が建っていた。

 

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看板から、三方向の写真を撮る。

ブラタモリではないが、土地の記憶は道に残る。おそらく、吉川英治が住んでいた頃と、建物は変わっても、道の広さは変わらないだろう。一番想像するのに良い材料だと思って、写真に収めた。

下町の路地は複雑怪奇である。蝸牛庵はすぐに見つかったのであるが、吉川英治邸跡は全く見つからなかった。

こんなところで、肩を寄せ合うように暮らしていたのだろうね。

吉川英治の小説は大衆のたくましさ、いやらしさ、優しさなど、大衆についての視点がよく出ている。平家物語では、大衆を画くために、わざわざオリジナルのキャラクターを作ったくらいだ。

こういう所に住んで居れば、自ずと大衆について知ることが出来たであろう。

さて、このあたりには小学校が二つあった。

吉川英治の逸話に、こういうものがある。

小学校に通っている娘のために、俳句をするすると代作してあげたら、先生に褒められたのだそうだ。先生は当然吉川英治の娘だということは知っているはずだ。子どもが気にするといけないので先生はそういう話を生徒の前ですることはない。だが、先生同士ではそういう話は当然駆け巡っている。それを知らないとお互いに損をするからだ。教えないと恨まれかねない。

吉川英治の娘が俳句をもってきたとき、先生はどう思ったか。

「やっぱり吉川英治のお嬢さんだ」と感心したか。

「これ本当にこの子が作ったのかな」と鼻白んだか。

そういう想像をすると楽しい話だ。

その小学校は二つの小学校のうちどちらだろう。

 

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 あまり、甘い物は食べないのだが、買って帰ってカミさんと食べた。

その写真だ。

名物にしてあるだけあって、桜の風味が強かった。あと、葉っぱの大きさに驚いた。

 

吉川英治の家を探す途中、路地で男の子が五人くらいで遊んでいて、近くの家の玄関前では、同じく五人くらいの女の子が、こっくりさんをやっていた。目の端でそれを見ながら懐かしい思いに囚われた。

隅田川の氾濫に警戒してか、新しい住宅なのに、玄関は盛り土をして高く作ってあった。

男の子ののんきさが心地よく、女の子の「この五人に地球の運命はたくされているのだ」というような妙な緊張感がほほえましい。