昨日、七月九日の日曜日、東京国立博物館 平成館で行われた「タイの仏像展」に言ってきました。
これはその手前の広場で行われていた、催しです。エスニック系の屋台が並んでいました。
本当は少し覗いて見たかったのですが、うちのかみさんと一緒だったので、お預けになってしまいました。中央にステージがありました。ちょうど女性二人が司会をしてイベントをしていたのですが、それも素通りです。
旅行会社のコンパニオンが制服を着て、旅行案内をしていましたが、客そっちのけでうちわで扇ぎあっていました。それくらい暑かったです。
平成館は別敷地になっています。
平成館でやるイベントって、混むのです。過去、阿修羅展、鳥獣戯画など人気展をここで見ました。だから、「平成館でやる」と聞いて、ちょっとぞっとしました。もしかして、外で長時間待つかもしれない、と。
しかし、日曜日の昼前にもかかわらず、人出はあまり多くなかったです。
もっとも、夏休みになりメディアで取り上げられるようになると、どうなるかわかりません。いくなら今のうちです。今のうちなら、日曜日でもそれほど混んでません。
さて、展覧会の内容です。
テーマはいくつかあります。
1、タイの歴史
2、それぞれの時代の仏像や仏教関連の展示
3、山田長政関連とタイと日本の関わりについて
です。
時代は大きくわけて五つあります。
A 古代タイ
B スコータイ
C アユタヤー
D シャム
E ラタナコーシン
です。BからEはそのまま王朝名です。いや、シャムは違うか。シャムはタイという意味かな。
タイは現代でも王朝制をとっています。その王朝名がラタナコーシンです。
この写真とその上の写真は、「ワット・スタット」と呼ばれる寺院にある扉で、ラーマ二世も手伝って、手づから彫刻を彫ったそうです。記念撮影可能なばしょの展示なので、使わせていただきました。
さて、古代タイの仏像はインドの影響が色濃く残っています。そこから、スコータイ、アユタヤー、ラタナコーシンと時代が下るにつれ、タイ人的な文化が折衷されていきます。端的にいうと、タイ人ぽい顔になるのです。
お気に入りは、時代的には古代タイとスコータイが好きです。インドの影響が強く出ている時代で、法輪や「ナーガ上のブッダ坐像」があります。特に法輪はタイで多く作られました。法輪がこれだけ作られた国はないそうです。
いま一緒に行ったかみさんと、ある仏像の名前をおもいだしていたのですが、思い出せません。その仏像は少年の顔を持ったブッダで、眉毛が繋がって、小鼻が膨らんでいます。性格に癖のある顔をしているのです。それが美しい!!
スコータイでは、タイの仏像の特徴である、遊行像が多く並んでいました。遊行とは、片足を踏み出したブッダの姿です。歩きながら布教する姿を表しています。それがタイの独特の民族舞踊がありますな。腰をくねくねするやつ。あれに似ています。
また、モン族が作った仏像が面白かった。中間に土産物店がありましたが、そこに売られている色鮮やかな布地のものはモン族のものかもしれません。さて、その仏像の前で、おばあちゃん二人が「これ麻原彰晃みたいね」「イッヒッヒッヒ」と話していて、思わず説教しそうになりました。
今回の展示、山田長政関連の展示も見どころの一つ。
本物の、江戸幕府の朱印状を初めて見ました。
またリーフデ号に付属していた世界地図もありました。リーフデ号は、ヤン・ヨーステンや三浦按針の乗っていた船ですね。
アユタヤーや現在のタイも面白いですよ。
音声ガイドでみうらじゅんが言っていましたが、とにかくハッピーな感じがいいです。苦行像がまったくない。苦行像とは、ガリガリにやせ細ったブッダの像です。
タイの音楽でも流せばよかったのにね。たぶん、数時間昼寝できますよ。
タイでは生まれた曜日が重要だそうです。
ちなみに、私の生まれた曜日は木曜日でした。
仏教関連の展覧会にいくとその神々しさに心を洗われます。
阿修羅像、インドの仏像、タイの仏像と続いてきました。アジアの文化(日本を含む)を理解するには、仏教の知識は必須です。もちろん、本を読むのもいいですが、仏像を直接見るというのも楽しいものです。ぜひ行って見てください。