今日の十分日記

今日の十分日記

原点回帰の雑記ブログ。十分で書ける内容をお届けします。十分以上書くときもあるけどね。十分以下もあるし。

町の人々ーー十分日記62

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午前中電車に乗っていた。運良く座ることができて、目蕩んでいると、近くに座っていた小柄なおばあさんが慌てたように立ち上がった。そして前にいた女性に席を譲った。譲られた女性は四十代前半といったところ。

小柄なおばあさんは次に泊まった駅で降りるのだが、降りしなに

「気づかなくてごめんなさい」

とペコリと頭を下げ、謝罪の意を示した後、背中を丸め、顔を隠すようにして、恥じるような格好で走って降りて行った。

中年の女性には連れがいた。

連れは義父と思しき六十代以上の老人であった。老人は座っていたのだが、目の前に杖を立てていた。杖はステンレス製で先が四つ又かそれ以上に枝分かれしていた。足が不自由な人のために、安定性が強化された杖だった。その杖を、小柄なおばあさんは見落としていたのだろう。

義父と判断したのは、自分の父に相対するより恭しさがあったからだ。

 

そのおじいさんは座っていた。それであるのに、どうして小柄なおばあさんは自分を恥じたのだろう。もしかすると、おばあさん自身も若い頃に介護経験があって、面前にいる女性の苦労が身に染みてわかったのかもしれない。それなのに、自分はのうのうと座っている。それでいいのか、そう考えて身につまされた。私はそう想像した。

 

それにしてもいずれにも気づかなかった私の鈍感さにこそ恥じ入らねばならない。

 

昼食を定食屋で食べた。

ちょっと向こうの六十代の男性が注文を取りたいのだろう。手を叩いて店員さんを読んでいた。別に高級店や料亭などに入ったことがないが、手を叩いて呼ぶのはテレビドラマの世界だけなのだと思っていたので興味深かった。

 

夕方100円ショップで見た女子高生が非常に美しかった。カミさんの目を盗んで何度も見たが、見る度に容色が衰えて行ったように思えてならない。今思い出すと、その辺にいるガキンチョしか思いつかない。ちなみに、私は日常的にキョロキョロしているタイプらしい。

 

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