今日の十分日記

今日の十分日記

原点回帰の雑記ブログ。十分で書ける内容をお届けします。十分以上書くときもあるけどね。十分以下もあるし。

漫画なんか読んで、アンタいくつ?--十分日記77

スポンサーリンク

扇情的なタイトルにしてみた。中身はいつもと同じでいたって穏健であるはずだ。

水曜日の有吉とマツコの番組で、「40代になっても少年誌を買い続けてしまう自分をどう思うか」と言う内容の相談があり、それに対して有吉が寛容な態度を示したことが、ネットで話題になっていた。

 

sirabee.com

 

 

sirabee.com

 

思うのだが、「少年誌」という言葉が1つのネックなのではないか。これが「漫画」と一般化された形ならば、誰も違和感を抱かないのだろう。「少年誌」とは文字通り少年少女が読む漫画誌のことである。番組でははっきり指摘していなかったが、コロコロコミックも少年誌に含まれる。40代になってコロコロコミックをコンビニのレジに持っていくのはちょっと気持ちが悪い。

コロコロコミックは幼稚園から小学生中学年向けの雑誌で、少年に入るかも微妙な時期に買う物だという勝手なイメージがある。

 

私は90年代の後半、週刊少年誌全盛の頃、コンビニの店員をやっていた。特に深夜帯だったので、運ばれてくるサンデー、マガジン、ジャンプなどを朝方必死になって並べていた覚えがある。店員の中にはお年寄りもいてそういう人たちにとっては、腰の痛くなる作業であった。

何せ、サンデー・マガジン・ジャンプの販売数が戦後最大の時期であった。田舎のコンビニであるにもかかわらず、複数あるマガジンラックの1番下は、サンデー・マガジンで占領されることになった。ジャンプは発売日が違うので別の日だ。

マガジンラックの1番下にサンデー・マガジン等を並べるといっぱいいっぱいになってしまって、雑誌名が分からなくなる。そこで工夫して雑誌名がわかるように陳列する。サンデー・マガジンと言うロゴは表紙の1番上に書かれている。そのロゴがギリギリ見えるように少し前にはみ出させるのである。

そうして店いっぱいに陳列した雑誌も、 2 、3日すると、全部捌けてしまう。主に朝買っていく人々が多い。そのコンビニは都市部に向かう途中にある。ルートはいくつかあるのだが、驚異的に混雑するので、動かない車の中で、時間つぶしに朝食や缶コーヒー(昔あった青缶のボスが売れた) とともに時間つぶしの雑誌や漫画を買っていくのである。

だからドライバーや肉体労働者風の服装をしている人々が週刊少年誌などを買っていくのを頻繁に見ていたので、忙しい大人が暇に漫画を読むことに違和感はない 。一応車運転しているので、漫画くらいがちょうど良いのだと思う。

 

その店には電車で通勤する人々はあまりやってこなかったと思う。だからかもしれないが、そういう人々が週刊少年誌を読む姿には違和感がある。

バイトをやっていたのは学生の時期だが、電車でくたびれたスーツを着た中年男性が、貪るようにマガジンやサンデーを読んでいると、「まじじゃん」と思った。

もちろん、売れていた時期なので、各誌名作ぞろいであった。マガジンはGTOが連載を開始した時期である。実はGTOぐらいしか読んでいないので、他の雑誌はよく知らないが、るろうに剣心とかワンピースが始まる時期だったり、名探偵コナンが人気を博していた時期だとおもう。もっともコナンは今でも人気だが。

ジャンプ、マガジン、サンデーなどは、少年を過ぎた後、読むべき雑誌をそれぞれ用意している。ヤングジャンプ、ヤングマガジン、ヤングサンデー、である。また高校生位からはスピリッツを読む人も増えた。そのようにして年齢に応じて週刊漫画誌は読む対象を変えていくものであると理解していた。

だからいつまでも公然の場でジャンプ、マガジン、サンデーなどの少年誌を読むのは恥ずかしい行為だと思っていた。多分多くの人が理解できるのは、冒頭で書いたコロコロコミックだろう。電車の中で、くたびれたスーツを着たサラリーマンがコロコロコミックを読んでいたら、ちょっと引いてしまう。

しかし少年誌の漫画であっても面白いものは面白い。それを解決するために、漫画の文庫版が流行った。ブックカバーをかけてしまえば、普通の活字の文庫と変わらない。

ドライバーたちは、暇な時間の時間つぶしとして漫画を読んでいたのであり、意外と他では漫画など読まないのではないか。そういう読み方なら、構わないとおもう。

ただいい歳こいたサラリーマンがあの日と同じワクワクがあると思って、ジャンプ、マガジン、サンデーを読んでいるとすればお寒い限りだ。

 

こう書くと、批判的に読んでしまうかもしれない。が、真意は逆である。じゃあ、小説や実写の映画(特に邦画)が漫画やアニメを補完できるほど面白いかというとそうではないからだ。

「(アニメや漫画を指定してるやつ)が、その原作の映画やドラマを見て、号泣してる」と有吉が言っていたが、実情は感動できるようなドラマや実写映画はそうそうなくなっている。いつもおんなじ俳優、女優が演技をし、監督も同じ。原作は既に存在している。そんな映画でどうして感動できるのだろうか。

現実はもっと絶望的だ。

漫画を読む方が楽しいという気分はわからないでもない。それは読み手が成長してないのではなく、面白いと思うものがないのだ。

それに今の世の中はあまり人に成長して欲しくないという前提になってる。

漫画とアニメとアイドルしか誇れるものがないというのが、この国のエンタメの実情である。

 

最強ジャンプ 2017年 11/5 号 [雑誌]: 週刊少年ジャンプ 増刊

最強ジャンプ 2017年 11/5 号 [雑誌]: 週刊少年ジャンプ 増刊

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へ