今日の十分日記

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原点回帰の雑記ブログ。十分で書ける内容をお届けします。十分以上書くときもあるけどね。十分以下もあるし。

ムーミンーー十分日記120

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今年のセンター試験で、「ムーミン」に関する問題が出題されたようだ。

「おもしれー」と思って、所詮人ごとという感じで問題を見ていた。

設問は読む必要がない。フィンランドの組合わせを選ぶ。一つはムーミン、もう一つは「小さなバイキングビッケ」というアニメ、対応する選択肢はノルウェーとフィンランドの現地語が書かれていた。

ムーミンが出たということで話題になっていたが、個人的にはビッケの方が琴線に触れた。我々四〇代にとっては、昔よく再放送を見ていた思い出があるだろう。子どものバイキングであるビッケが機転を利かせて問題を解決していく話だ。アイデアを思いついたとき指をパチンと鳴らすしぐさ、解決して褒められると、腕を組んで得意げにしている姿などを良くおぼえている。

さて、問題に戻ると、アニメのタイトル名に「バイキング」とあるので、こちらがノルウェーと結びつく。そして現地語の選択肢には片方にトナカイが書かれている。こちらがフィンランド。つまり、ムーミンとトナカイの選択肢が正解になる。少し考えると、すぐにわかる問題だった。

ところでムーミンの舞台はフィンランドではなく、ムーミン谷だ。あれは核戦争後の世界で、唯一の生き残りの人間スナフキンは軍人で、他に生き残った人間を捜し歩いている。というのは都市伝説だ。トーベ・ヤンソンが原作者で、彼女がフィンランドの出身だ。父親は彫刻家だ。

 

この問題が発したメッセージは結構先生には脅威であったらしい。

1,共通テストを意識している。

センター試験はあと二回で終了。そのあとは試験の携帯が変わる。もしかするとその試験を意識した実験をしているのではないか。思考力を問う、そして教科横断型というのは進試験の特徴だからだ。

にしては、幼稚だったが。

小学生の頃、九州の県名をダジャレで書かせるという課題があった。そのなかにあった「すべってころんで(  )県」という問題を思い出した。「大分」が正解だ。このレベルの問題だ。

新テストのサンプル問題自体が、ちょっとレベルが低かったらしい。

2,授業外の知識が必要である。

入試問題は教科書に載っているということがセオリーだ。たぶんセンターに聞けば「地理の教科書に書いてある」というのであろうが、やはり「ムーミン」や「ビッケ」を真面目に高校生がおぼえたとは思えない。

その高校生が暮らしてきた環境がどれだけ充実しているかが影響してしまう問題なのかもしれない。それはある意味残酷だ。

 

これはとある人から聞いた話を書いたに過ぎない。

ここからは私見。

日本はここ二十年ほど、未来に向けてどのような人材を育成すべきか、徒手空拳で模索してきたところがある。そしてたどり着いたのが今回の問題であれば、ずいぶんとアジア的な天才、秀才を選ぶようになったのだなと感じた。

先日、数学者チューリングを描いた、ベネディクト・カンバーバッチ主演の「イミテーションゲーム」という映画をテレビでやっていた。チューリングは人の言葉が分からない。お昼に、同僚に「腹減ったな」と言われる。(飯に行こう)ということなのだが、「そうか」としか答えない。「サンドイッチは」と聞かれ、「嫌いだ」としか答えない。

そのくせ、数学は天才的で、ナチスの暗号装置エニグマを解読してしまう。こういう人が西洋的な天才だ。

東洋的な天才、というより日本的な頭の良さとは人の気持ちを忖度できる人を指す。いくらエニグマを解読しても、人の気持ちが分からない奴は潰される。

この問題は出題者の意図を忖度しなければ解けない。どちらかというと、日本的な頭の良さを試す問題なのである。それが良いことか悪いことかはわからないが。