昨日夜半、ジョギングをしていた。
川沿いは街頭の明かりが少なく、足元はおぼつかなかった。コースの後半に入ると、小学校がある。その周辺の道は、石畳になっている。
道の真ん中に、チワワのような小型犬が仁王立ちになっていた。あと3秒後に吠えますよと言う面構えで、こちらを睨み付けていた。すぐそこに飼い主がいなかったら、吠えようは何しようが蹴散らして行くのであるが、飼い主の手前、そうもいかない。
ゆったりとした下り坂を走りおりながら、道の端に寄って行った。端の方にはギザギザの切り込みがあり、その段差に引っかかった。顔面から思い切り突っ込む、と思った。反射的に右手と右膝をついてくるりと身体を反転させて難を逃れたらしい。後で見ると右手のひらのごく一部が裂け、血が滲んでいた。膝頭の少し上にも擦過傷があった。その程度で済んでよかった。
小型犬の飼い主は、すっ転んだ私を見て、大丈夫ですかと言ったが、自分のワンコロが原因であることを認識しているのかいないのか、それ以上謝罪もせず、手も差し伸べなかった。そして、ガサゴソとバッグの中からなにやら取り出していた。クソ犬がクソでも垂れたのだろう。クソ犬が。
この地域では何があっても謝らないし、謝ったら負けだと考える人間が多い。情けは人の為ならずという言葉は日本の言葉で日本ではないこの地域では、人に親切にする行為は、「そんなのオレ不利じゃねえ？」という行為で、他人に嘲笑されるような自殺行為なのである。他人が通行するのを、飼い犬が邪魔していても構わないし、リードを引っ張って避けさせるのは「オレ不利じゃねえ？」という行為なのである。そのくせ、せっせとくそだけは拾うのである。クソ犬の名誉のために。
都合、iPhoneの上に乗っかったがノーダメージで良かった。
あと思うのだが、あの石畳風のおしゃれペイブメントもなんとかしてほしい。蹴つまずくことも多々あるし、自転車では走りにくいし、車も同じだろう。よく見ると足をワザと凹凸させている。そりゃ転ぶ。こんなもの、誰が一体喜ぶんだ。水はけが良いわけでもなく、手入れも大変だろう。
ふざけんな。ムカつく。次はクソ犬蹴散らす。
膝が痛え。
