ここのところ気になったことを簡単に書く。
はてなのお題では「ドキドキの『ホワイトデー』」というタイトルになっているが、ホワイトデーにどきどきしている人なんていなさそうなので書かない。私もどきどきしてない。
内容としては、大杉漣さんのことや東日本大震災について書こうと思ったのだが、「大杉漣追悼」という内容にしては大げさだ。ただ、「無題」とすると、書き忘れたみたいなので、こういうタイトルにした。はてなブログは記事のタイトルに何も書かないと、自動的に「無題」となる。
追記:と思ったが、「大杉漣の話」くらいならいいだろうと思って、再度変えた。
バイプレーヤーズの撮影中に大杉漣さんが急逝された。
記事のなかには「全部撮り終えて亡くなった」というものもあって、事実がどんなものなのかは分からなかった。楽しみにしていた、というと不謹慎だが、見てみたいものだった。
どういうストーリーと言えば良いか。
だいたいの流れを書くと、離島で撮影される予定のテレ東初の朝ドラ「しまっこちゃん」の撮影のために、バイプレーヤーズ(大杉漣、松重豊、田口トモロヲ、遠藤憲一、光石研)は大杉所有のクルーザーで現地に向かう。その途中、大杉のというより、その付き人になったジャスミンのミスで、遭難して無人島についてしまう。結局はこの無人島は予定されていた離島の場所の反対の無人化した地点だった。
しかし、遅れた上にクルーザーではしゃいでいるところを三石がインスタにアップしていたのを、役所広司が見てしまい「代役を立てろ」と怒ってしまう。
無事みなと合流するのだが、五人は端役の「島おじさん・おばさん」に降格してしまう。
最後はこの五人のスピンオフ作品を撮ることになり、話はおわる。
毎回、覚えきれないくらいのきらめくゲストたちが登場する。
五人の代役が笑ってしまう。のだが、書き始めるときりが無い。
結局撮影が最後まで行われたのかどうかはよく分からない。最後の少しだけが残っていたのかなと推測する。最後島ハウスで、出演者一同でしまっこさんの最終回を見る。だが、大杉漣だけはいない。ドラム缶風呂に入っているという設定だ。
みんなでドラマを見ているのだけなのだが、なんとなく熱量が。
かみさんの横でそのシーンを見ている私の涙腺が。
挿入された、撮影中の大杉漣の光景。
スタッフと軽妙なやりとりをする大杉漣。
酔っ払って、ギター片手になにやら歌っている大杉漣。
踊る皆の衆。
あのなんだか分からない世界のファンになったものはみな感動してしまうのである。
そしてその最後にあの熱量の演技と砂浜での四人の絶叫。
感動してしまった。
一作目が始まるとき、出てくるバイプレーヤーのメンツに吹き出してしまった。上記の五人+寺島進である。この六人がシェアハウスに住んだら、そりゃおもしろいに決まってる。そう思って前作を見た。期待を裏切らない面白さだった。
次回作はどうなるかわからないが、あればいいなあ。
亡くなってから最終回が放送されるまでに、追悼番組として「HANA-BI」をやっていて、見てしまった。自分の青春期である九十年代が舞台なので、見ているとはじめ温い感覚がよみがえってしまっていやになるのだが、内容に入り込んでいくと違和感が亡くなる。
大杉漣は北野武演じる刑事、西の同僚の刑事堀部を演じていて、容疑者を張り込み中に拳銃で撃たれる。容疑者は薬師寺保栄。そのまま半身不随になってしまう。半身不随担った途端、妻は子どもを連れて実家に帰ってしまう。不規則な生活を送らざるを得ない刑事ながら、子煩悩で遊園地などによく連れて行くようなパパであった。経験があるが、こういうときに「一緒にいてくれ」とは図々しくて言えないものである。
堀部は海べりの田舎にある実家に引きこもって生活を送るのであるが、急に刑事の仕事がなくなったためにやることがない。絶望して自殺未遂をする。そんな同僚に西は画材セットを送る。
それで堀部は絵を描き始める。
実はそれらの絵はすべて武が実際に書いたものだったと思う。ライオンの頭がひまわりになっていたり、海を見つめる日傘を差す女性の絵などを描く。
一連の絵は堀部と家族の思い出になっていく。暗い背景に大きな花火が描かれ、それを夫婦と娘が眺めている絵。家族の一番の思い出なのだろう。シンクロするように、西は不治の病を抱え、子どもを失ったために話せなくなった妻を連れて、最後の思い出を作りに旅立つ。
最後堀部は「自決」と雪中に自分の血で描いた絵を描く。
北野作品らしく、堀部にはほとんど台詞がなく、淡々と絵を描いていく。
普通、それほど人は話さない。過剰なほどしゃべるのは不安だからだ。
堀部は絵を描いて、自己を回復させたのかはあやしい。
堀部の役は台詞なしに繊細な表現をしなければならないが、それを大杉漣は見事に演じていた。
まっこと名優であるだけに、バイプレーヤーズの次作はないのかなあ、とも思う。
最後「自決」と雪中に自分の血で描いた絵を描く。
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