池波正太郎をめざして

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映画 「誰も守ってくれない」松田龍平/志田未来/佐藤浩市 出演

 

誰も守ってくれない スタンダード・エディション [DVD]

 まさりんです。
 昨日、「誰も守ってくれない」という映画を見た。
 なんというか、暗い話ではあるのだが。
 
1,あらすじ
 引きこもり気味の長男が小学生姉妹を刺殺してしまい、逮捕されるところから話が始まる。
 佐藤浩市演じる刑事勝浦は、事件容疑者の家族である、15歳の妹沙織を保護することになる。
 松田龍平扮する三島は勝浦の後輩で、逃避行を助ける。
 勝浦には離婚になりかけている別居中の妻と娘がいた。保護の命令を受けた三日後に離婚回避のために家族旅行を計画していた。結果的に逃避行は三日を過ぎる。
 ホテル・親戚方などがマスコミに包囲され行き場所がなくなり、とうとう海辺にあるペンションに逃げ込むことになる。
 そのペンションのオーナーは勝浦と深い関係にある。
 
 3年前、池袋で通り魔事件が発生する。
 その加害者は勝浦が追っていた麻薬常習者だった。
 勝浦は何かが起こる危険性を認知していた。が、麻薬の売人と接触したところを逮捕させようとした上司の命令によって、逮捕のタイミングを逸してしまう。目の前で起こった凶行は母親に連れられた子供が通り魔に刺され死亡してしまうというものだった。その母親と父親が経営しているのが、逃げ込んだペンションだった。
 勝浦は緊張があるときに事件の状景がよみがえり、手が震える。
 
 二人の逃避行はネットで追われていた。
 ペンションの前にはマスコミではない、警察でもない、ご近所さんでもない、何人もの若者? が、包囲して二人を監視していた。
 
2,個人的な見所【急にですます調になります】
 ・「大人になる」という裏テーマ
 大人とはなんだろうか。
 某CMみたいになってきました。
 
映画中でそんなことを考えさせるシーンがありました。
 沙織は結局色々なものに裏切られてしまいます。警察の家宅捜査中母親には自殺され、兄は事件を起こし、彼氏にも裏切られます。
 そんな沙織に勝浦が海辺でこう言います。
 「沙織良いか、これからも君が家族を守るんだ」
 「家族を?」
 「そうだ、お父さんとお兄さんを」
 「できないそんなこと」
 「守るんだよ」
 「お父さんと会いたくない」
 「お父さんもだ。誰かを守るって事はその人の痛みを感じるって事だ。人の痛みを感じるのはとてもつらい。苦しいことだ。でもなそれが生きていくって事なんだ。わかるかい」
 と言って、母親が自殺したときに握っていた家族が写った写真を手渡し、肩を抱く。
 「生きるんだ」
 沙織号泣。
 
 誰かに完全に守られているっていうのは子どもです。金を稼いだり、家事をしたり。子どものうちって何もしなくて良い。精神的な支柱だって、父か母がなるものです。(もちろん、家族のためにがんばるのは悪いことじゃない。でも、子どもを頼ろうとは思わないはずです)
 
 子どものうちに努力して学習などをするのは、保護されている、時間がたんまり存在しているうちに基礎的な能力を磨いておかないと、親になる年齢になるとそれをする時間がなくなるからです。
 
 そんな能力を使って、大人っていうのは他人のために時間を使って生きている存在なのかなって気がします。「家族を守る」とは、誰かのために生きるって事ですからね。
 
 ただ、その子ども時代がいつ終わるのかは決まってはいない。沙織のように子ども時代は突然終わります。
 
 ・中学生で彼女がいる男
 詳細は書きませんが、沙織には彼氏がいて、劇中沙織のことを裏切ります。
 二人が話しているシーンがあるのですが、結構この彼氏が女あしらいが上手です。
 
 なんの躊躇もなく、「おれがついてるだろ」とか言っちゃいます。
 そして裏切る。
 昔我々が中学生のときには、こういう男は軽いって嫌われていたのですが、今は結構人気が出てしまうのが哀しいところです。
 
 劇を盛り上げる、咬ませ犬、とんだピエロな存在ですが、どうもリアリティがあって、嫌になってしまいました。
 
 
 「誰も守ってくれない」
 絶望的なタイトルです。
 犯罪者の家族というのはなぜか徹底的に追い詰められます。もちろん十代の凶行の場合、「子育ての仕方」に関心が集るのは仕方がありません。しかし、それは両親を徹底的に追い詰めてもいいのだということではなく、また関心を満たすためでもなく、次の凶行を防ぐためです。
 現実には、このような追い込みがかけられています。
 被害者の家族以上に加害者の家族が保護されるべきだとは思いません。ただ、逆の視点から見てみると、色々と考えるところがあるのではないでしょうか。
 それにしても志田未来は悲劇的な演技が似合いますね。