上野国立博物館で行われている、「特別展三国志」を再訪した。
うちのカミさんが行きたがったのである。
上野は地獄の暑さだった。麦わら帽子を持って行ったが、蒸れてしまった。被らないほうがマシだったのかもしれない。
土曜日にもかかわらず、外に待ち人はいなかった。最悪のときは、外にまで長蛇の列が並ぶ。
なかは、けっこう賑わっていた。人混みで動けないということはないが、展示物を見にくいくらいには人がいた。
なかは写真撮影が可能だ。使用は個人に限るが。前回散々撮ったので、今回は展示物を見るだけにした。細々とした展示までよく見えた気がする。
カミさんも言っていたがやはり、魏、呉、蜀の三国の文化の差がよく出てると思った。あと、横山光輝の蛇矛と本当の蛇矛は形が違った。横山版は、矛先がクネクネと蛇が這うような形をしているのだが、本物は先が二つに割れ、蛇が威嚇をしているような形だった。
赤壁と言われている場所の写真を見たことがあるだろうか。壁に「赤壁」と書かれていて、ガッカリする写真だ。別の場所であるという説もある。
赤壁の賦という有名な詩があって、それを絵にするというのが中国で昔流行った。その絵が展示されているのだが、あれを見る限り、本当にガッカリ写真の場所が赤壁であると思った。が、あの絵は想像の産物だと気づいた。
ああいうところに行くと、講釈を垂れたがる人間はいるものだ。
「中国は中国人が治めているわけじゃなくて、ガイジンが治めることもあるんだよ」
はじめ、イギリスなどの列強が植民地したことを指しているのかと思った。いや、でもあのときも一応清国は存在してたしな、とか思っていると、
「始皇帝もガイジンだから」
と言ってて、鼻白んだ。
漢民族じゃないけど、ガイジンじゃないから。
お土産もいくつか買った。
黄巾党の布は皆テンションが上がっていた。出師の表が書かれた扇子はもう無くなっていた。
前回は混んでいてやらなかった武将メーカーにも挑戦。
武将に関してはまあまあの満足だった。
目と口が実物に近いらしい。
かみさんもやったのだが、司馬氏が台頭したときに最後まで曹氏につき、反乱を起こそうとして殺されるおじいちゃんの武将だった。そういう不器用なところがある人なので笑ってしまった。