ラウンドミッドナイトという映画を見た。
80年代半ばの映画で、バッドパウエルをモデルにしたデイル・ターナーをサックス奏者デクスター・ゴードン、デイルに心酔するフランス人画家をフランシス・クリュゼが演じる。
デイルはバッドパウエルをモデルにした人物。アル中で、ある日フランスに渡ることを決意する。
フランスでの安宿のオーナー、バターカップの世話になりながらステージに上がり続ける。このフランスでのエピソードはバッドパウエルの実話をもとにしているらしい。
そしてフランシスはデイルのステージを見たいが、金がなくてバーに入れない。 やがて、アル中であるデイルに酒をおごることで友達になり、バーに出入りするようになる。
とにかくデイルは酒を呑みたがる。
フランシスは彼を献身的に支え、アル中状態を脱し、レコーディングができるまでにデイルは回復する。
一方でフランシスはデイルに心酔しすぎて、妻に逃げられていた。
盲目になっている彼は妻に金を借りてまで、デイルをバックアップする。
そんな彼にとうとう完全に愛想を尽かして妻は彼のもとを去る。
映画は、結局ニューヨークに再び帰る決意をしたデイルが破滅の道を再度たどり、終わる。
確かにフランシスは偏執狂的にデイルにつくすので、見ていてちょっとイタいなという印象をうける。
だが、人生が破綻しているアイドルファンよりはましなわけで、妻が置き去りにした娘もきちんと育てている。
男からすると、どうしてそんなフランシスのことを妻が理解できないのか、手伝わないまでも、去ることはないではないか、と考えてしまう。
が、女性に言わせるとそうではないらしい。やはり、一番になりたいらしいのだ。 「そういうのはね、諦めなきゃだめ」
「いやいや、諦めるとかじゃなくて、受け容れりゃいいでしょ。なんなら乗っかっちゃえばいいじゃん」
「できない」
そんな会話をしたさ。
よく女性が男を選ぶ際、価値観を重視すると言う。
自分と男の違いを受け容れたくないからなのだろうか。 男は価値観はさほど気にしない。違っていて当たり前だからだ。
「価値観が大事」とか言う男は、女にもてたいだけだ。媚びているのだ。女性はだまされちゃいけない。
映画は音楽を聴いているだけで、心地よく、演出が過多でなく抑制されているので、フランス映画っぽいのかな。米仏合同制作だけに。曲はアカデミー賞を取っていたと思う。ジャズが好きだったり興味がある人はどうぞご覧下さい。