まさりんです。
先日の続きで、第三回短編小説の集いに出品された作品について、簡単にコメントを書きたいと思います。
「たなからぼたもち」
何だかシュールな展開ですね。
ハードパンクのスマホ。なんかかっこよさそう。
ハードパンクのお父さん。やっぱりドーベルマン? パグなんかもいいね。
ドリフトか新喜劇みたいな、軽演劇のセットが見えたな。やっぱり最後は「盆回り」が頭の中で流れました。
「恋のシュラフ」
なぜこうなるのかを考えると堂々巡りをしてしまう、逡巡してしまう、不思議な小説だなと思います。
なんでこの子は「生活が苦しくて売り払った」という想像に至らなかったのか。もちろん、生活の実態を知っていたから、そういう想像に至りそうだな、と。彼を信じているからか。
確かにプレゼントを拒否しているのだから、何かの影響を受けたと考えられなくもないが、「何か」と接触していない沙織は常識的な判断をするはず、・・・・・・と読んでいてクルクル頭が回ってしまいます。
二人はこのままどこかへいってしまうのか、沙織が彼と決別するのか、一時の濃い「スキンシップ」が読者の感じる不安を霧消させる気もする。沙織の「好きな人を悪く思いたくない」とい感じが、自分への甘さ、弱さのような感じもするし、愛である気もする。想像力をかき立てられる作品です。
「クリスマスのばかやろう」
最初と最後で「ばかやろう」の意味が変化しています。
この相手を許すなんてよっぽど愛しているのね。
本来なら、矢口状態の時点で、何があってもおかしくないのに。
まあ、男と女の間なんて、なにがあってもおかしくはないですよね。
「クリスマスディナーは君と」【第3回】短編小説の集い - atsushimissingl’s diary
「クリスマスディナーは君と」
すごい発想力。その手は考えつかない。
自分が不遇だからといって、他人も同じ訳ではないよね。
うまくいってしまうという展開はムズかしいかね。チャレンジしてほしいな。
「サンタがくれたごめんなさい」
『贖罪をうながすサンタ』というモチーフはなかなかないですよね。
近所にいるヤバい人も、自分では普通に暮らしていると思っているわけで、周囲の人間が勝手にそう判断してしまう。
人々のなかにいるのが一番孤独を感じるんだよな、と読みながら思いました。
「わんこ旦那と小正月」
小正月に小豆がゆを食べるという習慣を知ってはいたけど、やっていなかったな、と読んでいて思いました。小豆=甘いというイメージから、味がしっかりないとキツいのかな。やるなら中華風で鶏ガラスープを使ったらおいしそうだとレシピを思案しながら読みました。
この日小豆がゆを食べるのは科学的に合理的な意味があるんですかね。
小説: 「君に必要な物は1つだけ」 - okinot’s blog
「君に必要なものは1つだけ」
映画のようなモチーフの作品です。
年末に都市伝説をTVでやっていて、関氏が人工知能に感情を入れるとヤバいという話をやってました。天野ゥズにも同じ機能があって、暴走したらと考えてしまいました。
この後の展開を考えると正義と悪が反転する話になるんだろうね。
今正しいものがずっと正しくて、
今悪いものがずっと悪い。
そうとは限らないものね。
「西へ向かう」
・管理人様の作品
10枚強という枚数設定は一場面をがっちり作り込むには最適の枚数だと思います。
描写も言葉を切りつめないといけないし、端的に主題も提示しなければいけないし、特徴が出ますよね。
この作品もそうで、神父さん? と女子大生のやり取りに特化しています。読んでいて、とても気持ちが楽になりました。みんな疲れているのでたまには誰かに「それでいいじゃない」と言われたいものです。
作者の人柄が感じられます。
【第三回】短編小説の集いに参加しました。 - 池波正太郎をめざして
「雑踏」
小生の作品です。
読み返すと、やっぱり推敲が甘い。突貫工事だという言い訳が通用しないレベルです。特に前半にミスが集中しています。
句読点や、脱字、文法的なミス。こういうところに違和感を感じる人もいるだろうから、きちんとしなければなりませんね。