今日の十分日記

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原点回帰の雑記ブログ。十分で書ける内容をお届けします。十分以上書くときもあるけどね。十分以下もあるし。

いまさらながら、「第九回短編小説の集い」出品作品をふり返ります。

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 風邪ひいて 薬飲んだら 便秘だよ

 まさりんです。

 短編小説の集いと同じように盛り上がっている会に、短歌の会があります。私としては、「五・七・五」までなら、すっとつくれるのですが、「七・七」がどうもすっと出ないんです。現代の短歌なんかはきっと自由んだと思うんですが、情景が浮かぶようなものがいいと思うのですが、なんかできない。お題が出る度に考えてはいるんですけどね。「勝手に短歌のお題で俳句か川柳を作る会」、でもやろうかしらん。

 

 

 さて、本題ですが、もう半月以上前のことになってしまいましたが、「第九回 短編小説の集い」での作品制作の振り返りをしたいと思います。

masarin-m.hatenablog.com

 今回は「雨」がテーマでした。そのまえから、ケンジが会社を辞めた話というのをやりたいなという構想はありました。あの冒頭の辞表を提出するシーン。課長の頭が上がるシーンという光景が頭に浮かんでいました。そして、設定としてもともとブラックな会社の社員だったことも決めていました。それに、今回の「雨」を乗っけた次第です。

 また、今回作品を書くときに気にしていたことがありました。

 それは「第八回」の感想を書いていただいた方の指摘にありました。

 まずは「グミ。のひと」(id:boukantainethu)さんの感想です。引用してみます。

 <感想>

背景が冷たく突き放されて描かれており、常に登場人物と触れあわぬ屏風絵のようにしか見えないし、それに見入ると今度は登場人物の物語を追うことが困難になってしまう。山水の絵巻物と人物の絵巻物がそれぞれに独立して時間が進んでいくような書き方で、閲覧誘導のない美術館に迷い込んでしまったような困惑を覚えるのである。

連想の訓練がなされていないのかこの手法を敢えて拒絶しているのかは分からぬし今回がたまたまこういった作品になっただけなのかもしれないが、背景と人物を同時に楽しめるのが小説というものではないか。

 

 もう一つは秋桜みりや(id:kyoukonogokoro)さんの感想です。

 

細やかな描写に本当に鎌倉に行っているような気分で読むことができたので、とても素敵な作品だと思いました。

この友情の形は現実に近くてとてもいいと感じましたが、細かな背景の描写が多すぎて登場人物の描写が少なかったのが残念です。

結婚式の前日にこんなことすると私には新鮮でしたが、前半から目的を明確にしてあるとより良かったのではないかと思います。

 

 両方とも描写についてのコメントでした。

 描写にこだわってきたために、それが裏目に出たかと少々残念でした。とくに「グミ。の人」さんは全体的に扇情的な書き方をされているので、正直カチンときました。ただ私も一〇代、二〇代の小僧じゃありません。始めはカチンときますが、こういう場合、いったん乗っかってみた方が良いことがあるということを知っています。

 特に、「背景と人物の分離」、「登場人物の描写の少なさ」という点は、この「第九回」に関しては乗っかってみようと思いました。ただし、「背景と人物の分離」はこのシリーズの特色でもあります。「僕」という語り手の目を通じたモノなので、「僕」が感動した景色を書くときは、「僕」の視点にはシホたちは入りません。だから分離するのです。「僕」が風景に魅入られているときに、シホに気を遣いつつということは不自然ですから。「僕」がとなりにいる人と話しているときに、風景に魅入られるというのもおかしいですよね。そういうふうに、「僕」のフォーカスが変化するから、そうなっているのです。と、一生懸命に考えた結論はそうなりました。今作を書き出すギリギリまで原因を考え続けました

 今回は登場人物の描写を中心にするために、「僕」を作中に登場させませんでした。これで視点の分離は抑えられるはずです。また、一度書いたことのある場所にすることで、描写の密度を薄めました。逆に取材はつまらなかったけど。 

 あと、結婚式前日にブーケを決めるような作業をするのか、というご指摘ですが、通常しないと思います。また、ブーケ一行の目的を最初に出すべきという点は、一応あの話のなかでは引っぱりたいと思いました。なぜそうしたかったのかを書きながら考えましたが、ちょっと思い出せないなあ。そのほうが面白いだろう、興味をひくだろうと考えたはずですが、どういう判断だったのかは憶えていません。直感的にやったのでwしょう。

 今回は会社を辞めるというのを始めに出しました。この場合、そのほうが話がすっきりすると思ったからです。

 

さて、もう少しで次回、第一〇回記念大会です。楽しみましょう。

 

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