今日の十分日記

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原点回帰の雑記ブログ。十分で書ける内容をお届けします。十分以上書くときもあるけどね。十分以下もあるし。

伊藤若冲「生誕三百年記念 若冲展」

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 まさりんです。

 ゴールデンしてますか。小さいころから、ゴールデンする習慣がなく、近場で遊んで終わりだった家族に育ったために、ゴールデンになるとゴールデンらしく、旅行することがないのです。

 ゴールデンは充電期間だという意識が強いのです。

 今年もそうなりそうです。ただ、今年のゴールデンは飛び石連休になっているので、私同様近場で遊ぼうという人が多くなるという予測を「ひるおび」が出していました。

 ただ正直に言うと、海外に行かないとすれば、本気を出したゴールデンの東京ほど楽しい場所はない気がするのですが。

 ということで、まず二十九日は上野の東京都美術館で開催されている、「生誕三百年 若冲展」に行きました。

若冲展パンフレット

 

 

 昼過ぎ、一時半前に上野駅に到着。

 駅構内、公園口の近くにチケットカウンターがあります。そこでチケットを購入しました。私が並んだ時点で、カウンターには数十人の客がいました。並んで15分くらい待ちました。そこで見た待ち時間の表示は五十分でした。ちなみに、大恐竜展の待ち時間は二十分でした。

 都美術館の前に行くとまたもや長蛇の列。

 最後尾の館員が示している待ち時間は五十分でした。私はチケットを購入していたので、その向こうにあるチケットを持っている人々の列に並びました。都美術館はエスカレーターを降りて、地下から入るのですが、そのエントランスの向こうにはやはり人並みが。待ち時間四十分の表示。

 この時点で思うのは、あらかじめ前売り券を購入することをおすすめします。

 待っているときにいろいろな人を見ていたのですが、「古文書の読み解き方」という本を読む、うら若い女性がいました。「ちょっと見せて」と言いたくなりました。

 

若冲展入り口の混雑

 

 伊藤若冲について少し解説を。

 若冲は青物問屋の跡取りとして誕生しました。二十三歳の時に父が死に、問屋を継ぎます。青物問屋とは野菜などを扱う、八百屋さんの問屋です。だから、野菜などは見慣れています。四十歳になり、弟に店を譲り、絵で身を立てようと誓います。

 展示の最初は四十歳から数年たって、依頼された襖絵から始まります。「鹿苑寺大書院障壁画」です。はじめにお目見えするのは葡萄だけを描いた絵。そして、そこからは動物が加わっていきます。鶴などの鳥です。若冲といえば動物の絵です。動物が加わっただけで、非常に生き生きとした絵になります。

 地下階の展示場で気に入ったのは、「隠元豆・玉蜀黍図」です。若冲は、お手本として数百数千の水墨画を模写してから、オリジナルの創作活動に入ります。もっと身近な本物を移さねばならないと考えるのです。この隠元豆や玉蜀黍の精密さは、青物問屋としての経験が生きているのでしょう。

 

12時間円柱を描きつづけてはじめてわかったこと。「気づく」までにはたくさんの時間がかかるのに、みんな先に教わってしまうんだね。 | ■ 暮らしの旅あるき  ■

見る目を養うっていうのは、何事においても大事なこと。それは反復しなければ身につかないこと。美術でも見る目が養われれば、他に応用できるのもおもしろい。頑張って、この人なりの見る目が見つかるといいね。

2016/04/25 18:21

 この記事のことを思い出しました。すごい人になりたかったら、一時期、徹底的に基本にこだわり学習することが必要なんですよね。非常によい記事でした。 

 

 若冲は非常に鳥好きで、実際に窓の外に数十羽の鶏を飼っていたそうです。食べるわけではありません。生涯、酒も飲まず、妻もめとらないくらい禁欲的な人だったらしいです。市場で雀が売られていて、それを哀れんで買い求め、すべて放したこともあったようです。

 月下と鳳凰とクジャクと、いろいろなモチーフで絵を描いていますが、これは「動植綵絵」を書くための下準備だったと、音声ガイドの中谷美紀が言っていました。

 

 さて、今回の若冲展の目玉は「釈迦三尊像」三幅と「動植綵絵」三十幅です。それは一階にある展示場にありました。

 三種類の釈迦は色彩鮮やかで、ちょっとインド的な物を感じました。様々な植物と動物のコラボレーションが素敵でした。棕櫚の木の下を悠然と歩く雄鳥(雄鳥は徳のある人の象徴)、南天の実の下にいる雄鳥、群れをなす鶏、水辺にいる虫やカエル、幹の割れた老いた松に留まる鸚鵡、群れる蝶、ヤガラなど魚が泳ぐ海など、植物や動物が三尊像を囲んでいる。これは「山川草木悉皆成仏」の思想を表現している。これを描いたときに若冲は「千年後にこれを理解する人が現れるのを待つ」と言ったとか言わなかったとか。宮内庁にあるこの絵は見物です。 

 

群鶏図若冲

南天雄鶏図若冲

群魚図若冲

(三点の画像はwikipediaより)

 

 二階にはそのほかの絵があります。

 長い巻物に野菜や小さな虫などを丹念に書き込んだ「菜蟲譜」は七十代の作品だそう。丁寧に描かれた、野菜など小さい物たちに注がれたまなざしの柔らかさを感じます。

 

 このフロアで気に入ったのひゃ、「百犬図」です。若冲は画面を埋め尽くすように絵を描くのですが、百匹のまるまるとした子犬が愛らしくじゃれ合っている姿はほほが緩んでしまいます。

 最後にはあの有名な「鯨と象」の絵と、ドット絵のような動物の絵も見られます。

 

 帰りの売店で思わず、図録を買うところでした。しかし、いま、wikipediaから画像を入れたのですが、やはり本物はもっと圧巻です。写真はなんか違うんです。また創作する上でも様々な工夫をしているところは本物でしかあじわえません。図録は諦めました。

 

美術手帖 2016年5月号

美術手帖 2016年5月号

 

 

 

若冲 (講談社学術文庫)

若冲 (講談社学術文庫)

 

 

 

 テレビでは昨日、今日と若冲の特集がいくつも放送されています。昨日は嵐の大野さんが若冲の絵を見る番組をやっていました。今日も、BSとテレ東「美の巨人」で特集が組まれます。是非、特集をチェックして、見に行ってはいかがでしょう。やはり「動植綵絵」はお寺に納めるために描いた物なので、なんともおめでたい気分になれますよ。

追記:今はとんでもないことになっているようです。

 

www.art-annual.jp

 

 

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