こんにちは、こんばんわ、おはようございます、まさりんです。
短編小説の集いでは夏の宿題がいくつか出されています。だらだらするうちに二十三日。今も昔も、宿題はギリです。悪い癖です。間に合わないかもしれません。これも子供の頃と一緒です。
さて、今回は感想も書きます。毎回書けるかどうかはわかりませんが、書けるかぎりは書いていきたいです。一度、自分が出品せずに、感想書きに徹するというのも面白いですね。
海にやってきたカップルの会話と海の風景。
描写に終始していて、それでいてカップルが考えていることを想像させる秀逸な文章です。感想というより、想像したことを解説というとおこがましいですが、書きます。
彼女は、もともと強引な性格ではないのですが、彼氏と一緒にいるときにはなんとなくわがままな性格になっている自分がいます。彼女は彼氏に甘えているだけなのですが、そんな状態になっているのは彼氏の煮え切らない性格のせいだと思っている。ただ、だから嫌いなのではなくて、それはそれでよく、からかっている。
男はそんな彼女に戸惑いながらも、どこかで受け入れようと努力しているのです。自分がからかわれているとはあまり気づいていない。不器用か、ドMなのか、真剣に悩んでしまう。
とても短い話のなかで、二人のすれ違いの描写がとても効いている作品だと思いました。
自殺しそうな美幸と民宿のおかみさんとの出会い。
自殺志願者な割に、波に揺られている描写の時点で、自殺は回避されるのだと思いました。ではどうやって回避されるのか。
自殺って衝動的なんだと聞いたことがあります。思い詰めたら、一直線にそこへ向かっていく。たぶん、エネルギーがある程度いるんでしょうね。
さて、このお話はこの前の話と、あとのお話を想像させるところがあります。主人公はなぜ自殺をしようと思ったのか、そしてこのお話のあとの展開と。これは私個人の考えですが、短編小説でも長編小説でも、小説というのはある時点を切り取るものだと思います。だから、こういう感じはいいと思います。冒頭も描写から入るのもいいです。
もしかして、あとの話を続けるのだったら申し訳ないのですが、そうでないのだとすれば、おかみさんの名前はなくてもよかったかな。ちょっとおかみさんに主人公感が出てしまいます。美幸の情報を極力絞ってあるので、おかみさんの情報が多くなると、そういう現象が起きるのだと思います。気になったのはそれくらいかな。あとは良い感じです。
お久しぶりです。唸るなあ。
以上です。で、本当はいいんですけどね。
このおはなしを一行で書くのは難しいです。あえて書くなら「海にまつわる不思議な話」でしょうか。タイトルからわかる通り、「海の神様」がお話のポイントです。ただ、荒ぶる神です。トリックスターです。ただ、トリックスターだと、もっと引っ掻き回す存在になります。古事記におけるスサノオですね。ですが、卯野さんの場合、逆になっています。幸福をもたらし続ける存在なのに、最後に暴威を振るって海へと帰ります。
相変わらず、言葉遣いに痺れてしまいます。「対の手」というのは、何気ない表現なのに、絶対自分では出てこない表現です。見たときに、ハッとしました。その内側を露呈したあとの暴力的な描写も韻律が美しいです。この韻律の美しさにいつも脱帽してしまうのです。
青磁という名前もあとの展開を想像させていいと思います。それにキャラクターの風貌を一気に想像させる感じですね。生白くて、虚弱で、という。
細部にわたって秀逸な文章でした。
海で男と男が出会う話。
海に行くと、人は無口になると同時に、おしゃべりになる。海における人間の不文律を描いているのだと勝手に思っています。私にも経験があります。他人にとってどうでもいい話を延々話したり、なぜか感極まって泣いたりするんですよね。短編小説の集いで一番初めに書いた話がそういう男女でした。やはりみんな経験するのですね。
夕方か、逢う魔が時か、そういう時刻ですね。「先に居たほう」は三時からどうしてこうしていたのか。夏の日が沈むにはまだ数時間残っている。泳ぐわけでもなく、ナンパするわけでもなく、堤防に座っている。
最後の最後に、設定がループする可能性があることがわかります。「先に居たほう」から映画をもらった「あとから来たほう」は、またこの映画を持って、翌日海に来るのでしょうか。
予知を達成する方法があります。それは予知が達成するまで続けることです。先見性の高い知識や技術も理解されるまでまてばいいのです。医療はとても単純です。役に立てるために新技術を作っているのですから。それでも、規格外の発想のものはあります。「糖質制限ダイエット」もそうです。評価が分かれています。アメリカではもう古いダイエット方法で、推奨した医師が死んだのですが、当の医師が百キロ以上の巨漢になって死んだなんて苦笑してしまう話もあります。
「ひたすら待つ」という行為が、こういう風に肯定的に描かれているところが、川添さんらしいなと思います。
拙作です。感想は以下です。
書いたかどうかわからないけれども、「蝉が鳴いている」という話は、川添さんのブログにあった蝉の話から発想したところです。
非常に生意気な感想ですが、端的に言って、上手になってます。上達したな、と思いました。書き慣れてきています。本当は、枚数がもっとあったら、後半の魔王が世界を焦土にしていく様子やそれと戦う「醜い戦士」の様子を描写したかったのではないかと感じます。かなり文章が滑らかです。
施設、海などの描写から、私がこれまで読んできた作品と違って、「クトゥルフ」的なものは抑えて書くのかなと思ったら、気持ちよく裏切ってくれました。「おおう」と声を上げてしまいそうになりました。
途中で、「醜い容姿」というところから、魔王側の存在なのかなと思ったのですが、人間でした。それも面白かった。やはり魔王クラスになると、警察では歯が立たないのですね。
目の見えないこの子がどうなっていくのか想像が膨らむ作品でした。