今週のお題「高校野球」
七月末に締め切られた短編小説の集いは「熱」が課題であった。
熱ということで高校野球の予選を使用した。
その取材ではないが、見に行ったことがないので、千葉県総合スポーツセンターで行われた、市立船橋×木更津総合戦を見に行った。結果としては、木更津総合が千葉県代表になったわけだし、市立船橋は千葉県民にとって、別格の高校であることを考えると、千葉県予選屈指の好カードであった。
結果は七回コールドで木更津総合が買った。
面白かったのは、多くが両校の保護者や応援者でスタンドが埋まっているのであるが、試合とスタンドの雰囲気が一体になっていたことだ。
終始、西船は押され、木更津総合優勢だったのだが、西船ベンチは終始いらだち、木更津総合のベンチは和やかだった。
自分の母校の野球部も、声をかけあって見に行こうという空気があったのだが、「暑いから嫌だ」とかひねたことを言って、行かなかった。
もっとも、今回見に行った両校のように、応援団も組織化されていなかっただろう。
だが、「どうして高校野球を見に行くのに夢中になるのか」という疑念は解けた。
その木更津総合も甲子園一回戦で負けた。
ちょっと目の前で、強豪市立船橋をコールドで負かした高校だとは思えなかった。
春の大会は予想通りに進行し、
夏の大会は読めない、
というのは本当だと思った。
テレビ中継でまだ大会は続いていくが、一つの見方がある。
それはピッチャーの顔だ。
表情がすでに負けているピッチャーは必ず打たれる。
清宮は消えたし、何かと波乱の多い大会ではあるが、そんな選手の心理を追いながら見ていくと、甲子園も面白い。
※次の短編小説の集いは「影」です。