今日の十分日記

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原点回帰の雑記ブログ。十分で書ける内容をお届けします。十分以上書くときもあるけどね。十分以下もあるし。

悪魔が来たりて笛を吹く2018ーー十分日記184

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先週のBSは「横溝正史」祭りであった。

市川崑監督作品が軒並み放送され、「悪魔が来たりて笛を吹く」の新作が放送された。主演は吉岡秀隆であった。

時は戦後まもなくの東京の子爵家、椿家を舞台にした凄惨な連続殺人事件である。

この椿家には後に「畜生道」と言われるほどの秘密を抱えていた。

椿美彌子(志田未来)は金田一耕助(吉岡秀隆)の許を尋ねる。

「父の死の真相を探って欲しい。これから行われる占いの儀式に参加して欲しい」

それを渋々受け入れて(下宿の大家に脅される)、椿子爵家に赴く。

同時期に天銀堂事件という毒物を使用した強盗殺人事件が発生。その容疑者のモンタージュと似ているということで、フルート奏者の椿英輔氏が容疑を疑われ、自殺したのである。娘の美彌子はその無実を疑わない。

旧子爵家はなんとも重苦しい空気であった。

戦後のGHQの方針により、華族制度は廃止された。それはそこから没落していく運命であるのだが、椿家の特に親世代はそれを受け入れられない。上記、天銀堂事件は帝銀事件を下地にしているが、帝銀事件が1948年、華族制度の廃止が前年である。このあとに受け入れざるを得なくなるだろうが、この時期はそういうこともあったろう。

これは大衆の貴族に対するイメージだが、なんとなく淫靡な感じがある。その淫靡さを象徴するように、椿家は淫蕩なのである。それがもとで、外に漏らせば大問題になる醜聞を抱え、「悪魔」を誕生させる。その悪魔が椿家に来て、暴れるのである。

「悪魔」は醜聞に関係したものを次々と殺害していく。

 

私としては、吉岡秀隆の金田一耕助は良かったと思う。

年齢的には元設定の金田一よりも、歳を取っているのだが。

いつもそうだが、金田一シリーズは劇画調に展開する。吉岡秀隆バージョンはすぐに目をひん剥いているのである。だが、どれもそうなのでそれでよいのである。吉岡秀隆といえば、つぶらな目をショボショボさせている印象があるが、その向こうを張ったのだろうか。

 

映像としてはやはり個人的には市川崑のほうがよい。この作品は市川崑が取っていないのであるが、他作品の映像美が好きだ。

どの役者がやった金田一耕助がベストか、というテーマは非常におもしろい。

印象にあるのはテレビシリーズをやっていた、古谷一行の印象が強い。が、やはり石坂浩二が好きだ。今回の吉岡秀隆は原作に近いのかな。長谷川博巳は愛嬌のある感じはしない。調べたら、役所広司とかもやってるのか。渥美清は見た。金田一っぽくなかった。愛川欽也の金田一ってすごいな。

 

金田一耕助の事件匣 市川崑×石坂浩二 劇場版・金田一耕助シリーズ DVD-BOX

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