逆走台風とその前の大雨で大変な思いをされてる方もおられるだろう。お見舞い申し上げる。
先の日曜日に、内田裕也のドキュメンタリーが放送されていた。
御歳78になんなんとす、御大の来歴とニューイヤーロックフェスティバルのリハーサル風景を写したものである。
あの、伝説の政見放送も流れた。監督は崔洋一である。
色々気になったが、一番はヘロヘロながら、いきなり切れるシーンであった。オープニングの曲を調整しているところに、「幕はいつ上げる?」と質問され、ブチ切れ。
「いまロックンローラーが一生懸命やってんだよ。ちょっと待てよ」
まわりは慣れっこなのだろう。誰も動じない。
こんなシーンがいくつかあった。
見ていて思い出した人がいた。
はぁちゅう氏である。
彼女に思想などによる一貫した行動はない。一貫した行動も取らない。
たぶん彼女のなかでは一貫性もあるし、理屈もあるのだろうけど、周りから見ると、そうは見えない。触るもの皆傷つけるような感じがする。ついでに自分も傷つくような。そんな刹那的な感じがするのである。
me_tooを盛り上げた立役者がしみけんと事実婚をした段階で、なんかpunkだなと思った。内田裕也を見ていて、それを確信した。
内田裕也は一見すると滑稽である。政見放送で「power to the people」と歌い続ける姿がドキュメンタリーで放送された。当時、キョトンとして見た覚えがある。滑稽である。が、本人は真剣である。それで自信もついたらしい。
惨めだけど最後はビシッと決める、ハードボイルドの主人公のような人である。
彼女の行動原理は、少なくとも周りから見ていると、気に入るか気に入らないか、快か不快か、に見える。気に入らなければ告発し、不快なら、負けるかもしれないのに吉田豪にまで喧嘩を売る。
なんとなく刹那的なかっこよさがある。しみけんが惚れたのもそんな部分なのではないだろうか。
間違えないでほしいが、皮肉ってるわけでもなく、けっこう本気だかっこいいな、と思っている。
内田裕也のドキュメンタリーを見ていて、はぁちゅう氏のことが少しだけわかったというだけで、二人は似ていない。告訴されそうなので、それは強調したい。もっとも彼女が読むわけないが。
ただ共通していることもあって、それはあまり距離を詰めたくない相手だということだ。これからも静かに遠くから彼女を見ていたい。
ドキュメンタリーは来週後編があるから見てみてほしい。