今日の十分日記

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原点回帰の雑記ブログ。十分で書ける内容をお届けします。十分以上書くときもあるけどね。十分以下もあるし。

鶴岡八幡宮参詣顛末ーー十分日記218

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 今日は死ぬほど寝た。総合すると十二時間超。途中、ちょっとだけ起きたから、それを差し引いて十二時間を超える時間寝た。疲労がたまっていたのだろう。別にそうしたわけじゃないが、徹夜をすると次の日こんな感じになる。昔は違った。そのまま大学の授業に出て、一日過ごしても、その日普通に寝れば体力が復活したものだ。こんなことをしているから体を壊すのである。

 昨日は病院の定期検診で、それを無事終えてから、そのまま鎌倉へ行った。鎌倉の鶴岡八幡宮で前年、厄除けのお参りをしたので、そのお礼を言いに行ったのである。言うまでもなく風邪を引いていたので、最低限に止めて帰ってきた。

 行きは新宿から新宿湘南ラインに乗って、戸塚から横須賀線に乗り換える予定だった。しかし、横浜の直前でアナウンスが入った。

 「横須賀線は北鎌倉・鎌倉間で小動物をはねたということで、安全点検を行っています」

 電車の安全運航を妨げる小動物ってなんだろう。

 頭の中でクエスチョンマークが点灯した。

 リスやネズミであれば、それほどの影響がありそうにない。イノシシや鹿を小動物とは表現しない。なんだろう。うり坊でも轢いたか。巨大なネコでも轢いたか。

 とにかく、そのおかげで横須賀線は終日の遅延であった。

 鎌倉はその点で少し不便な土地でもある。そもそも千葉方面から行き来しようと思うと、どうやっても横須賀線を使う以上に便利な路線というのがない。横浜と鎌倉、横浜と湘南を繋ぐラインはあるが、横浜以東はか細いのである。この辺に県民の思考が反映されている。横浜まで出られれば、以東に行く必要はそれほどないのである。

 鎌倉はいつものように混み合っていた。

 昼食を取っていないので、その店を物色しつつ小町通りを歩く。

 車一台が通るのがやっとという小町通りは昼時で、人があふれていた。毎度のように修学旅行生やおばあちゃんたちの観光客、それに加え、中国か韓国のツアー客も多い。人波を縫いながら進む。小町通りをまっすぐ進んで抜ければ、鶴岡八幡宮は目の前だ。

 いつも思うのだが、人混みで物事を判断するのは非常に困難だ。

 だから、池袋や渋谷、新宿あたりの若者が集まりそうな服屋はいつも大音量で音楽を流す。他に気を奪われることがあると、人間は判断が利かないのだ。結局こうして適当に店を選ぶ。

 鶴岡八幡宮での参拝を終えて、昼飯を食べる段になったが、やっぱり適当になった。駅ビルらしき小さな建物が鎌倉駅にあるが、そこの二階にある和食屋さんに入った。以前こうして入った店でうどんを食べたがそれが結構美味しいという記憶があったからだ。

 そのうどんを食べた店はなくなっていた。カフェになっていて、女子大生らしき女性が眠たげな顔で勉強していた。後期の考査が近いのだろう。

 和食屋に入って、刺身と天ぷらの盛り合わせを頼んだ。鎌倉や湘南というと、シラスや海産物が美味しいというイメージがあるが、千葉県房総生まれの私にとっては、海産物は故郷の方が上手い。普通にスーパーに行って、パックのお刺身を食べても、都市部で相応の金を払って食べる魚より旨い。上手い魚、野菜というのは決して余所に出さないのではないだろうか。おそらくそれは漁師や農家の矜持だろう。だから、観光地よりも地元の人が普通に行くような店の方が上手い物を出す。それを知っていると、「孤独のグルメ」はより面白くなる。あの人は、地元の人が普通に昼飯に行くような店へ入る。だから上手いのである。逆に東京の店に入って、「魚がうまい」、「野菜がうまい」とか言っている芸能人は信用できない。うまい食べ物は東京には流通していない。お菓子だけは美味しいらしいが。

 鎌倉で感心するのはこれも毎度書くが、野菜のうまさだ。「刺身と天ぷらの盛り合わせ」はお新香と野菜の天ぷらが美味しかった。ただエビ天は最悪で、衣がボロっと落ちた。店の中には地元のおばあちゃんがたくさんいた

 ついでに書いておくと、昔は特にそうだったが、若い女が上手いという店よりも、おじさんがたくさん入っている店に入った方が美味しい物が食べられる。若い男がたくさんいる店は中年にとっては度胸が要る店だ。やたら量が多く、こってりしたものが多い可能性があるからだ。昔のオジサンは金を持っていたので、そういうところに行けば良かったが、今はダメかもしれない。これは特にはてなでは大きな声では言えないが、子どもだけに金をやたらつぎこむ国はろくでもない。大人の社会がだめだから、そこで生き残れるように子どもに金をつぎ込むのである。おじさん、おばさんが遊んでいる国の方が個人的には好きだ。

 食事後はカミさんのお土産を買った。鳩サブレーが好きなので、豊島屋の本店に行って買った。実は年賀状を出し忘れた人がいて、その人に寒中見舞いを書こうと絵葉書を探しに小町通りを歩いた。相手は女性なので、良い物があるだろう。なぜか、まったく見つからなかった。その代わり、女性用の小物屋が段葛の脇にあって、そこに入ってしまった。原色ではない。ピンク色や赤など、目に鮮やかに映える色彩で埋め尽くされた店だった。手ぬぐい、風呂敷、番傘、エプロン、鉄瓶、全てが美しい店だった。女性店員が輪をかけて、元気で美しい声をしていた。それは声優のような高い声ではない。高さは中程度なのだが、よく通る、強い声だった。ああいう声に弱い。ご尊顔は拝さずに失敬したが。

 そのまま疲れてしまったので、帰路についた。

 昼頃の小動物衝突事故の余波はまだ続いていた。下り線、逗子方面の電車は三分おきにひっきりなしに来るのだが、上り線、千葉行きは二十分くらい来なかった。それもいつ来るのかはっきりしなかったので、トイレに行きたかったが、行くタイミングがなかった。

 ホームで前に並んでいた、親子の中学生くらいの男の子が手を滑らせて、スマホを線路内に落としてしまった。不意に飛びこんで取ろうとした男の子を制止したお母さんは、やっと来た電車をやりすごして、駅員にそれを告げに言った。

 おかげで私が乗った電車のあとの電車はさらに遅れただろう。

 スマホを線路内に落とすドジな人間を初めて見た。そういうのはお年寄りの専売特許だと勝手に思っていた。が、よく考えればお年寄りはスマホを使わないだろう。