今日の十分日記

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原点回帰の雑記ブログ。十分で書ける内容をお届けします。十分以上書くときもあるけどね。十分以下もあるし。

狭間の世代、就職氷河期についてーー十分日記233

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前回の記事を書いた後、最後にリンクを張ったブログ記事を読んだ。

finalvent.cocolog-nifty.com

別に論破したいわけではないが、若い人は特にわからないだろうから補足しておく。この筆者は81年に大学を卒業した世代だ。この世代はいわゆる「円高不況」が直撃していて、なんとなく自分たちが下のバブル世代や上の団塊世代よりも苦労したと言いたがる傾向にある。少しいじわるな見方だが。「ふぞろいの林檎たち」ともろに重なる世代である。

本当は93年から始まったのは「女子就職氷河期」といって、女子の就職が非常に困難になった時代だ。それをニュースを見ていて、「悲惨だな」という気持ちと、「いずれ男にも来るな」と思っていた。はっきりいうと、露骨に性別差別が行われていた。

 

それに「円高不況組」と一番違うのは、経済情勢と、特に中小企業の扱いだ。確かにどこでもよければ、それほどの不況は起きていないように見える。だが、不良債権問題などが累積していたり、それこそ時の人カルロス・ゴーンが登場し、系列外しが行われていたりした。系列とは例えば、自動車産業で話せば、トヨタの車を一大生産するために、その部品を加工する企業がすべてトヨタの車だけを生産するというやり方だった。つまり、「護送船団方式」ではないが、大企業の傘下に入ることで安定した経営をする中小企業というのが多く存在していたが、その傘の下から中小企業が出ていかざるをえないという局面であった。高い技術力をもった企業であれば、逆に飛躍することができた。しかし、そうでないところは……。

それをずっとメディアは情報で流し、不安をあおられている状態だった。まだネットは黎明期だった。

つまり、無難な選択をするのであれば、大企業を目指すのが上等となったのがこの時期だ。中小企業を選ぶリスクはとてつもない。ましてやネットがまだ普及し始めたという時代。情報収集は困難だし、大学生に企業の技術力判定など不可能だろう。口コミ情報もあてになるかわからない。

つまり、親の世代と話していても、「円高不況」のころならば、「中小でもいいんだよ、地道にやってればいいことあるよ」と言われていただろうが、「中小はやめとけ」という空気が上の世代からもビシバシきた世代だ。

しかも今の若い人のようにすぐに転職するという環境でもなかった。企業を選び損ねると即死。そういうプレッシャーのなか戦ってきた。一生その企業でお世話になるという気概で挑まねばならなかった。

日本の企業の大半は中小企業である。だがその時代時代で企業の在り方は変わる。だから求人倍率だけみても、それだけでは実勢はわからないだろう。一応書いておくが、中小企業に関するこれらの懸念は杞憂に終わった部分もある。

就職氷河期がなかったと言ったら、同級生たちは怒るだろう。ちなみに、私個人でいえば、病気のため就職活動の三次面接くらいで入院し、それから定期的に入院を繰り返した20代になってしまった。社会の最底辺を蠢いていた。ただ、あれがなかったとすると、かなり浮かばれない部分があるので、みなに下に見られ、同級生に近い久田正義と戦っていた、これまた同級生に近い長谷川豊に殺されそうな位置にいるが、文を書いた。(あいつしっぽ出しすぎ)

 

あと、言っておくが、この期に及んで経済統計を鵜呑みにするのはいかがなものか。自分が出している統計データが正しいということを立証するのが先なのではないだろうか。それくらい、統計不正の問題とは罪深い。

 

※また書き終えた後にツイッターで見つけた。

ka-ka-xyz.hatenablog.com