この回では、のちに殺すことになるガルマ・ザビと士官学校で出会う。ガルマ・ザビにシャアは取り入っていく。
漫画版とアニメ版と違う部分が発生する。その騒動が「暁の蜂起」というガルマ・ザビたち士官学校卒業生を若き英雄に押し上げる戦いにつながっていく事件がある。漫画版では隕石の軌道計算を連邦の役人がミスすることによって、食料ブロックに隕石が衝突するという設定になっている。人為的とはいえ、事故だ。故意にやったものではない。
この衝突事故に対して、ギレン(ザビ家の長男)は配下の議員にあおらせる。「連邦の怠慢で起きたことではないか」と。どこかで見た光景だ。そう。ジオンが死んだときに、ザビ家一党が行った行為だ(とこのブログで予測していること)。その空気にあおられて、コロニー住民は戦争やむなしの空気になっていく。
加えて、それにシャアが乗じる。媚びを売っていたガルマをあおって、「暁の蜂起」という連邦軍とジオン軍を戦争へと進ませるクーデターを起こさせる。
この作品のテーマが誤解とそれに乗ずる行為だとすれば、アニメ版はこの辺りを変えてしまった。演出が安彦良和でないということで、アニメ版の演出が原作のこの部分に気づかなかったか。気づいても難しすぎると判断したか。アニメではただの宇宙戦艦同士の衝突事故になっている。
漫画版では、士官学校卒業で浮かれているガルマたちをおいて、シャアが隕石の軌道計算を黙々として、衝突事故を予見するというシーンがある。同時に頭を動かし、この騒動に乗っかることをシャアは画策している。このシーンもなかったので、意外と気づいていて難しすぎるから変えたのかもしれない。効果的なほかの要素を加えてあるのかは私にはわからない。
「バイザーを拾え」事件では逆にアニメの方がおもしろかった。
シャアとキャスバルは目の色だけが違う。これを眼底の染色体異常だと学校側に届けてある。もちろん嘘だろう。そのせいで、サングラス型のバイザーをかけている。のちにシャアがマスクをかぶるのはこの染色体の異常のせいである。
士官学校の卒業検定では、実際に模擬戦闘訓練をする。
士官候補生側が圧倒的不利な状況で演習を行う。
こののち、講評が連邦の士官から行われるのだが、そこでシャアは喧嘩を売る。そしてぶん殴られる。その拍子にバイザーが落ちてしまう。
別に質問自体は校規違反でもなんでもない。
そこにいた候補生たちはみな口々に「バイザーを拾え」とつぶやく。
空気を察したガルマが一歩出て、「過ちをお認めになり、バイザーを拾われるべきです」と言う。士官はバイザーを拾って事なきを得る。
みんなが「バイザーを拾え」とつぶやきまくるところが怖さを助長していた。
今回一番特筆すべきは、エンディングが「水の星へ愛をこめて」になったことだ。
ご存知、機動戦士Zガンダムのオープニングでファン屈指の人気曲である。森口博子のデビューソングでもある。こちらのアレンジは元の方がよかった。
その当時小学生か。今まで見てきたアニメよりもZガンダムのオープニングがカッコよかったのをよく覚えている。もちろん、マクロスの方が先であり、こちらも画期的に劇中歌などをカッコよくした作品であった。ただ、小学生低学年だったと思うので、たぶん見てない。「愛おぼえていますか」とか売れていたのはうろ覚えである。
はっきり記憶にある形で見たのは、機動戦士Zガンダムからだ。
ものすごく純正のポップスでびっくりした。のちに知るが、「カレンダーガール」などを作曲したニール・セダカが作曲なんだもんね。
今回のバージョンでは思い切ったアレンジの変更があった。
【公式】『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』第2弾エンディング
もとのやつ。ちょっとアレンジを加えているみたい。
森口博子 - 水の星に愛をこめて2017EDM Remix(Z Gundam Theme)
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