今日の十分日記

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原点回帰の雑記ブログ。十分で書ける内容をお届けします。十分以上書くときもあるけどね。十分以下もあるし。

スターウォーズ・EP9と三部作の感想「エピソード8からの~」ーー十分日記313

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正直言って書きたいとは思えない。

土曜日の夜に見に行ったが、感想が書けなかった。

それは、書けないんじゃない。書きたくないのだ。

ちなみに、これを読んでいるあなたが今作品を見ているかどうかは鑑みず、書きたいことは全部書くので注意されたい。

1,結論を書くと、JJエイブラムスが可哀想

この作品の点数を百点満点で示すなら、せいぜい70点、まあ60点という程度の作品だろう。だが、これは監督であるJJエイブラムスの責任にしてしまうのは酷だろうと思う。だれが悪いのか。本当に戦犯はディズニーだと思う。

 

2,それぞれの作品を単品で見たときの評価と三部作としてみたときの評価は別

今回のスターウォーズ・スカイウォーカーの夜明けはエピソード7から9の三部作の一つとして作られた。なぜか間のエピソード8だけライアン・ジョンソンが監督をした。

三部作として作られた以上、三部作としてまとまった形で作品を捉えつつも、それぞれが完結した一本の映画でもあるので、それぞれが評価されても良いだろう。

 

一応、映画や本も良いところを出してけなさない、というモットーでこのブログは書いている。しかし、今回は話が別だ。

 

そう若くない人間にはそれぞれの年齢にジョージ・ルーカスが作ったスターウォーズが存在していて、それぞれの年代によって、ベストのスターウォーズが違うというのがこの作品の特徴だ。それはそれぞれのエピソードが作られた年代の最新、最高の技術によってスターウォーズが作られるからだ。

 

今回のスターウォーズは今の若い人にとって、ベストのスターウォーズと言えるのだろうか。だって、全編過去のスターウォーズをなぞりつつ、とっちらかった今三部作の伏線を回収しただけなのだから。

中学生くらいの読解力があれば、それは容易に理解できるのではないだろうか。

この作品が面白いといっている人は、音のでかさにごまかされているのである。現に見ていて「うるせー」と思った。

 

さて単品として見たスターウォーズはどうかといえば、「マーベル作品の次くらいには面白い」というのが正直なところだろう。

 

3,複線の回収

ディズニーが戦犯なのは言うまでもない。

ディズニーランドが悪の帝国に見えてくるくらい、今回のディズニーはいただけなかった。

その悪の手先ライアン・ジョンソンが作った、エピソード8(今三部作の真ん中)がまずかった。

 

三部作で見た場合、当然シンプルに三つの作品で何をしたのかという、一連のテーマが必要になる。

エピソード1~3なら「アナキンがダースベイダーになる話」であり、エピソード4~6は「ルークが父親との葛藤を乗り越えて、父親を取り戻す話」である。

では今回の三部作は一体、主人公レイが何をする話なのか。

これがエピソード8まで見ていても、さっぱりわからなかった。

エピソード4~6ならば、エピソード5で、ベイダーから「私はお前の父親だ」という告白があった。だから、このことがエピソード5の中心がハン・ソロとレイアのラブストーリーなのに、ルークが主人公だという一貫性を与えていた。

エピソード1~3なら、2でどんどん鬱屈していくアナキンが描かれた。

 

エピソード5で、全てを知っているヨーダからジェダイの訓練を受けているシーンもファンからすれば感慨深いのであるが、地味といえば地味だ。このトレーニングにも三部作の筋が通っているので、きちんと意味があると理解できる。

 

レイはエピソード7でルークに会いに行く。どうして会いに行ったのか。さっぱりわからない。剣術では、とっくになにも修行していなくてもカイロ・レンとタメを張る。いや互角以上の使い手になっている。もちろん、精神的な面では未熟なのかもしれないが、結局エピソード7でルークはその面ではなにもしない。カイロ・レンを暗黒面に落とした言い訳をするだけだ。

レイアに言われたからルークの元に行ったのだと、レイはいうのだが、「お前はどうしてきたのだ」とルークに言われ、レイは絶句する。

 

・ルークのところを訪れた意味

監督が替わり、JJエイブラムスに戻って、やっと今回のエピソード7~9の意味が与えられた風に描かれているが、実際は三部作で見るとなんだかよくわからない。そのためには、エピソード9で与えられた情報によって、オセロの駒が裏返るように、場面や設定の意味が変わる必要がある。そこまでのものはなかった。

今回のエピソードが加わったからって、ルークのところに訪れた意味はよくわからない。ルークがファーストオーダーとの戦いの勝利のために必要なら、死んでしまった時点で負けが決定する。

 

・トレーニン

実はレイはルークからのトレーニングを終えていない。

だからか、エピソード9で急にレイのトレーニングシーンが出てくる。トレーニングをしているのはレイアだ。レイアは実はルークからトレーニングを受けていたというのだ。

これを知らされたとき、映画館で私は鼻で笑ってしまった。あきらかに急ごしらえの失策である。

もちろん、そうでないと前作で宇宙空間に放り出されたレイアが、ほとんど無傷で(重篤な状態で帰ってくるがそのあとすぐに復活する)宇宙船に戻ってきたのかわからない。

レイはルークからトレーニングは三つ、と言われるのだが、実はふたつしかやっていない。三つ目に見えるのは、偶然だ。

それにエピソード5でヨーダからルークはそれ以上のトレーニングを受けていた設定になっている。エックスウィングを泥沼から引き上げるという感動的なシーンすらあった。

そういうレイがルークから教えを受けているというシーンがまるでなかった。

その帳尻を急に合わせるのである。

一番最後に。

 

・親は誰だったのか

エピソード8でカイロ・レンから、「お前の親は実にくだらない人間だ」といわれる。完全にこの段階で肩すかしを食った。では、このレイという少女はなぜ旅をしているのか。目的がなくなってしまった。レイはエピソード7では、親のことを知りたいと願っている少女として描かれていた。

この作品でのレイは本当にいなくていい。ルークのところにいくのもフィンで良いのである。この理由は見ると分かる。

 

この点をJJエイブラムスは画期的なアイデアで解決する。

それは(あまり書きすぎか)さる帝国軍の大物の孫だということにしてしまうのである。これも笑ってしまった。他にあっただろうに。

しかも、その大物はクローンとして復活する。つまり、偽物である。このときは「あーあ」と落胆の声を心中で発していた。

偽物を倒して、「修行完成」って、なんか酷くない?

 

・レイの存在の意味

正直言って、(先に書いたが)三部作としてみたときに、カイロ・レンの更生が物語の核になっている。だって、三部作で繰り返し描かれ、徐々に物語が進んでいるのは、カイロ・レンの話なんだもの。

ガンダムにおいてのシャア・アズナブルのようなものだ。しかし、アムロ・レイは間違いなく物語の中核である。レイとは違う。

三部作とそれぞれの評価は違うという意味では、今作の主人公は間違いなくレイである。様々な試練もレイに向けられていた。だが、三部作では主人公はカイロ・レンだ。

制作陣の本音はカイロ・レンの方が主人公にしたい人物なのだろう。そりゃそうだ。ハン・ソロレイア姫の息子だからね。女子がいやだったのだろうか。

 

日本の物語とは真逆だ。特に日本のアニメでは女の子(女性と書くよりこっちの方がニュアンスが出るだろう)が主人公であることが多い。それはレイのようにお飾りの主人公ではなく、本当の意味の主人公だ。もちろん、違う意味が上乗せされているのは間違いない。

ここにも悪の帝国ディズニーの陰を見るのである。ディズニーランドの正確な和訳はディズニー帝国だ。

 

4,既視感の増大

最後は去る大物との対決で終わる。

これが見たことがあるシーンをなぞっているだけなのである。

大物はある大技を繰り出すのだが、見ていて、「アホか」と呟いてしまった。それではそれぞれが戦っている意味がなくなる、とも感じた。すごい映像なのであるが、すごいくだらなくもある。

 

5,映像の斬新さはあったか

ルーカスがスターウォーズを作るのは、技術をギリギリまで高めたくなったときらしい。

エピソード4~6ではCGの前のアナログ技術をギリギリまで高めた。あれを全部手作業でやっていると考えると、怨念すら感じる。

エピソード1~3では当時のCG技術を推し進めた。特にエピソード3の最後、アナキンとオビワンの決戦は恐ろしい映像だ。実はスタジオの前の砂利の駐車場に雨が降ったときに、それを画像として取り込んで、マグマの川を作ったそうだ。

その議長を助けるときに、アナキン&オビワンと敵方ドゥークー伯爵とのジェダイ対決がある。ドゥークーは顔ハメの技術(ちょっといやらしい)を駆使していたらしい。実際に戦っていたのはスタントマンだそうだ。そのはめ込みの技術は全然違和感がなかった。

 

一番最初、オビワンとアナキンが議長を救いに行くときは、便器が飛んでいたりする。その遊び心も面白い。

 

前書いたかもしれないが、同時期に劇場版Zガンダムがやっていたが、映像だけで言えば、陳腐すぎて劇場で見ていて泣きそうになった。富野由悠季はそれに自覚的であった覚えがある。それくらい、映像としては素人が見てもぶっちぎっていたのである。

 

そのときどきでスターウォーズは最新の技術を使って、見たこともない画を作っていた。今回はどうだろう。ドクターストレンジ一本に負けてしまうのではないか。あの、見ていて船酔い状態になりそうな映像の方がすごい気がした。

 

もちろん、部分部分では好きなシーンはある。

エピソード7のミレニアムファルコン号が始めに飛ぶところはすごかったし、今回のエピソード9でも、むちゃくちゃなワープ航法は見ていて気持ちが良かった。また星々の背景は素晴らしかった。背景はもしかすると、マーベルに勝った部分と言えるかもしれない。が、たぶん見ている人は誰も気づかないだろう。

 

ただ、素人が見ていても、過去のスターウォーズはすごい映像というのがわかりやすく入っていたが、それがなかった気がするのである。

 

6,ラストシーンの陳腐さ

最後尋ねられて、レイが自分の名を名乗る。

そこは「レイ」「ファミリーネームは」「ないの、ただのレイ」の方が良かったのではないかと思う。

 

7,どうすればよかったか

最後の帝国軍の大物は別の人物にした方がいいのではないだろうか。レイの出自はそのままにしておいて。

皇帝は、レイアにすべきだった。

そうすると三部作のつじつまが合う。

 

考えてみて欲しい。もし、父親と息子が揉めていて、息子が反社会的勢力かカルト教団に入っていたとする。父親になんとかしろというだろうか。普通はおじさんとか第三者を入れるか、母親本人が行くのではないか。レイアはハン・ソロにカイロ・レンのもとに向かわせるのである。カイロ・レンは父親を殺すことで、修行を前進させるのである。

エピソード7では、これだけドロイドやらが発達しているのに、自分の元にいた優秀な提督をクルーザーに置き去りにして、輸送船で基地のある星に向かう。無人で放っておいても良かったのである。みすみす優秀な人物が殺すように押しやっているようにも見える。

エピソード9では、レイの修行をレイアがするのであるが、ちょっと暗黒面が拡がっていて、ダークサイドのジェダイの技である、手からビームを繰り出している。

 

レイアの一連の行動は不可解なのである。

なぜか。

レイアが黒幕だからだ。

 

レイア皇帝はスヌークを使って、カイロ・レンをダークサイドのジェダイとしてトレーニングさせた。なぜ自身がしなかったのか。父親同様の弱さがカイロ・レンにあって、母親からそういうトレーニングを受けるのに耐えられないということが分かっていたからだ。叔父からのトレーニングすら全うできなかったのだから。

 

レイアが皇帝だと、カイロ・レンが更生する理由もよくわかる。

そんな母親の姿を見ることが忍びないからだ。

 

レイアが暗黒面に落ちる理由はたくさんある。兄に息子を修行を任せれば失敗、夫は耐えられなくて逃走。再びヤクザな商売に手を染める。

怒りと苦しみと後悔と、暗黒面に落ちる要素満載である。

しかもルークが修行しちまってる。

これだけエピソード8での伏線を回収するJJ・エイブラムスである。レイア=皇帝の筋も思いついていたのではないか。ただ、バッシングが予想されるために頭のなかから打ち消したのではないだろうか。

もちろん、私の妄想だ。

 

8,とにかく

私はJJ・エイブラムスを責められない。

インタビューでは、ライアン・ジョンソンと脚本家クリス・テリオとよく話し合ったらしいが、この二人、いや影で操っていたディズニー帝国が悪なのである。「ディズニー・イズ・イービル」なのである。

www.cinematoday.jp

展開的には、「頼むからレイを暗黒面に落とせ」と見ながら願っていた。それをカイロ・レンが倒すしか道はないぞ、と見ながら願っていた。

その願いが叶わなかったとき、「三部作としては駄作になった」と感じた。

www.cinematoday.jp

ルーカスのスターウォーズは子どもでもみられるということをモットーに作っていた。だから映像に力をいれ、ストーリーは実にシンプルにする。圧倒的なシーンを子どもの頃に劇場で見るという体験は子どもの内面を容易に変化させる。それは私も含め、経験しているだろう。

今回のスターウォーズはオタク好みで、スターウォーズ・エピソード5を基調にしているらしい。オタクというのは今プックスがあって、自分が見る映画が大人として見られるものでないことに激しく抵抗するところがある。なにせ、ゴジラを見に行って、ゴジラに感動しない人間たちなのだから。人間のドラマパートは、状況説明をしているだけだ。

そうならば、批判を恐れず、徹底的に物語作りをやらなければならなかったのではないだろうか。

 ※全面的に賛成。

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