今日の十分日記

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原点回帰の雑記ブログ。十分で書ける内容をお届けします。十分以上書くときもあるけどね。十分以下もあるし。

映画「すーちゃん まいちゃん さわ子さん」 柴咲コウ/真木よう子/寺島しのぶ 出演  女性と社会

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すーちゃん まいちゃん さわ子さん

 まさりんです。

 
 ちょっと似合わない映画を見てしまいました。
 
 性別によって見ても、理屈としては理解できても、感情移入できないという映画が存在すると思っています。
 例えば、男にとっての「大奥」。
 理屈として、女性というのが覇権抗争を繰り返す存在だとわかっていても、男にはそれは「恐怖」という感覚しか感じさせないものでしょう。女性にとっては、ジャッキーチェンの映画というのがそうかもしれません。なぜジャッキーがプロジェクトAで闘うのか理屈としては理解できても、それは女性には苦行にしか映らず、心情としてそれを見て男がかっこいいと感じるというのは理解できないと思います。そりゃそうです。十数メートルの高さからクビから落下しても、敵を倒すために再び闘うなんてことに女性がファンタジーを持つわけがない。この辺りは男がもつ感情なのでしょう。
 
 この映画についても正直言って、感情的には移入できないものがありました。しかし、適齢期の女性心理についてひっかかるものがあったので、最後まで見ました。見て良かったと思います。
 
 
 さて、こういう場合、相手にあいさつが必要なものなのか。わからないので勝手に使ってしまいました。あしからず。
 
 この映画は三人の女性が主人公です。それぞれに物語があり、それが同時並行で進んでいます。それぞれの人物ごとに特徴を少し書きます。
 
 すーちゃん(柴咲コウ
 レストランの店員(社員)。同僚に同じように働く女性社員がいる。シングルマザーのオーナーのもと働く。
 料理が趣味。あまり多くない給料をやりくりして、多くの調味料を集め、日々メニューの研究をしている。五年間彼氏がいない。まいちゃんとさわ子さんとは、以前の? バイト先で出会う。
 同じレストランで働く中田(井浦新)に淡い恋心を抱く(淡いって三〇すぎなんだけど)。
 オーナーから店長にならないかと打診されて迷う。
 しかし、同じ同僚に中田を取られ、婚約しているのに中田からモーションをかけられたことをきっかけに店長になることを決める。
 
 まいちゃん(真木よう子
 営業をしているOL。
 不倫をしている。上司や部下の女性社員からセクハラ攻め(年齢や容姿についてのイジリ)にあっている。
 不倫相手が約束を破り、家庭を優先する行動をとっていることに業を煮やし、不倫相手と別れることを決意。結婚相談所の紹介で結婚を決める。後妊娠する。
 
 さわ子さん(寺島しのぶ
 在宅で働くSE。
 祖母・母・さわ子さんの女性三代で暮らしている。祖母は認知症が進み、母のこともよくわからなくなっている。兄が帰省してくるが、祖母に粗略に扱い怒る。
 近所のそば屋を継ぐこと二なり帰ってきた同級生とつきあうようになるが、最悪な一言で別れることになる。どれくらい最悪かと言えば、男からしても「こんなやついるのか」と疑いたくなるくらい。
 
 ほとんど書いてしまっているようだが、小ネタのように走る多くのネタに共感する方も多いと思います。
 
 三人は三〇代です。
 男の場合はこれがいくつの頃かはわかりません。もしかすると10年周期くらいで多くの決断を迫られるのかもしれないですね。
 
 現代の女性はこの三〇代すぎの頃に人生の大きな選択が待っているんだと思います。一昔前とは五年くらい遅くなっています。
 家庭と仕事の両立を、女性が目指してから何年経過したのでしょう。盛り上がった時期が八〇年代だとすると、三〇年以上経っています。それなのに劇中の女性が迫られるのは、家庭か仕事かの選択です。
 まいちゃんは、不倫相手と別の相手を選び結婚し、退職します。自分で決断したことだが、自分の決断行動に強く戸惑う場面というのがあります。妊娠をしたあと、「今までの自分でなくなるような気がする」というような心情を吐露し、あし。
 つまりは、母になる自分と企業で働いていた自分というのが接続しないという感覚があるのです。
 
 先ほど男は10年周期くらいで云々と書きました。男の場合、決断の後の自分と前の自分が接続しないという感覚は持たないでしょう。もちろん、大病をして多くのことを放棄しなければならない場合は別です。そう、多くのことを放棄するから、接続しないという感覚をもつのです。
 
 以前、「女だから」という理由だけで、つぶされた優秀な女性社員のことを聞いたことがあります。
 優秀なのですが、性格がキツく、仕事が遅い社員などを厳しく叱責してしまうのです。
 もちろん、遅い方も悪いんですけどね。
 それを遅い方が、トップにねじ込んで、人間関係やらすったもんだがあって、その女性社員は管理職を追われます。
 そのときにはっきりと、「あの人は男をたてないから」とトップから聞かされたそうです。
 
 そんな社会における女性の現状を見た気がしました。
 特に女性は共感する作品だと思うのでおすすめします。