第十九回 短編小説の集い参加作品。「わかれ道」

大きな川沿いの道から続く、細長い公園に向かって歩く。公園は川に沿っておらず、明後日の方向へ伸びていたが、「土手公園」という。桜の名所だ。歩いているのは大人三人が並んで歩けるくらいの幅の道で、左側には五〇センチくらいの高さに盛り上げられた道が並行している。道はコンクリートで舗装され、段差の間にツツジ…