今週のお題「憧れの人」
昔から楽器が弾ける人というのに憧れていた。
一番はギタリストだろうか。
布袋寅泰、松本孝弘、チャー、エリッククラプトン、ジミヘン、案外ミックロンソン……。
ギターというのは一番個性が出る楽器なのだそうだ。よく言われるが、それは未完成の楽器だからだそうだ。弾き手によって、あれだけ音色に差が出るというのは面白い。
今はどの音楽が主流かが分かりにくい時代だ。
70年代なら明らかに主流はロックだった。80年代後半にはヒップホップやエレクトロミュージックも主流に入ってきた。今はどれが一番中心かを言うのは難しい。
エレクトロミュージックをやるミュージシャンが「音楽に人間味があるのが気持ちが悪い」と言うことがある。中田ヤスタカが言っていたような気がする。初音ミクなどボーカロイドがよいというのも人間味を嫌ってのことなのだろう。アニメや漫画のキャラクター、もしかするとストーリー自体も、もともと実際にある女の子などを記号化して、「かわいい」という記号を表現している。初音ミクも音楽を記号化をしているのだと思う。表現として「ゆらぎ」がないという状態が心地が良いのだろう。
逆にギターは揺らぎが大きい。ロックバンドはその「ゆらぎ」を利用して音楽を作り出すことにおもしろさがある。この「ゆらぎ」をグルーブという。YMOは昔この「ゆらぎ」を極力つぶすことを目指していたという。それを個性としたのだろう。
下手をすれば弾く度に曲のイメージが変ってしまうことがあるくらい、ロックの曲というのは変化する。
どちらもすばらしいものであるが、これだけコンピューターが普及した時代だと、「ゆらぎ」のある音楽のほうがわくわくする。だから、個人的にはギタリストが好きである。