池波正太郎をめざして

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明日は明日の風が吹く

今の心境にあわせてブログ名を変更しました。どうぞよろしく。肩の力をさらに抜いてやります。

みんな理解者が必要だ。

 

 まさりんです。
 小説を書いて、ちょっと燃え尽きてしまったらしい。今回の小説は、原稿を少しずつ書いた。一日に二三枚ずつ、喫茶店でちょっとずつ。その理由は後日改めて振り返りで書くが、だからか非常に疲れた。小説を書くこと自体がだいぶ疲れるのであるが。
書き終わった後、やりたいことはあるのだが、予定は組んでなかったので、なんだか手につかない。ブログも書きたいことはある。あるのだが手につかないのだ。だからリハビリ変わりに書く。

 

概要

 小説を仕上げる作業と、他の作業を平行してやったのだが、例のごとくそのときの休憩時間に映画を見た。「猫タクシー」という映画だ。もともとは二〇一〇年のテレビドラマだ。原作は永森裕二の小説である。

不器用な主人公

 さえないタクシードライバー勤(カンニング竹山)。他人とコミュニケーションをとるのが苦手で、お客さんが急いでいるのに知らない道にきてしまったのに、それが言い出せない。言い出せないうちに道に迷う。お客さんが、目の前の道をショートカットすれば、目的地に早くつくと教える。が、その道を行くと一方通行の逆走になってしまう。勤は車の外に出て呼吸を整える。業を煮やした客は、「もういい」、と怒って車を後にしようとする。今度は料金をはらえと言い出せない。結局はお客さんが、おかねを置いていく。

 ドライバーは気が小さく、そのせいで教職を追われた経験を持つ。当然ドライバーとしての成績も悪い。
家族は妻と娘がいる。娘はお父さんのパンツを一緒に洗ってほしくないと言い出した思春期の高校生だ。

御子神さん登場

 ある日、自動公園で昼食の弁当を食べていると一匹の猫と出会う。車で昼寝をしていると、猫は車に入ってくる。猫の名前は御子神さんという。

 ある日「ねこばばあ」と呼ばれる子猫を抱いた老婆をタクシーに乗せる。このばあさん、ドライバーの間では寸借詐欺をする人間として有名だった。勤は詐欺に遭ってしまうのだが、そこで御子神さんが飼われていると聞いて、その家に行き、御子神さんとコムギという子猫をネットで譲り受ける。コミュニケーションが苦手な勤にはめずらしく、積極的な行動だった。初めて起こった勤の変化だった。


 勤は御子神さんというパートナーを得て、変化していく。タクシーに御子神さんを乗せてゆくのである。猫好きのお客さんとは御子神さんがきっかけで話が弾むようになる。御子神さんはみんなのアイドルになる。
 御子神さんを家で飼うと決めると、父親を嫌っていた娘は勤につく。「お父さんが自分からなにかしたいっていうのはじめて聞いた」。御子神さんの存在が周囲も変化させていく。

 名前の通り、御子神さんは、我々には見えない存在なのかと始めは思った。が実物の猫である。タクシーに乗せて営業するには、当然法律の壁が待ち構えている。動物愛護の観点からもいただけない。
 勤はそれと戦っていく。人間は欲求に従ったときに強さを発揮する。しかもそれが恩のある存在への恩返しであるときには特に強い。人を変えるには理解をしてくれる存在との出会いが手っ取り早い。
 優秀なみなさんに言わせれば、ドライバーの変化は些細なものなのかもしれない。「なんだよそれ」と思うかもしれない。しかし、不器用な私などには彼の変化はとても愛おしい。
 そして御子神さんがきっかけになって、お客さんや周囲の人々にドライバーの良さが伝わってゆく。普通の人にとっては半歩だけ前に出ただけだ。

 まるで御子神さんは勤にとって理解者のようだ。その人の良いところを理解し、我慢強くそれが発揮されるのを待ち、それを助ける。恩師であり、親友でもある。ただし、家族ではないのだろう。家族外にいるというのが面白い。御子神さんがいることで、家族の紐帯も強くなるのである。新しい出会いが人生を開いていく。それは真実だろう。

でもさ、ちょっと出来すぎかな。

 ただ、ちょっとなんでもありなところがいただけない。妻は鶴田真由であり、娘は超美少女。もともと勤を選ぶ人なのであり得なくないが、あれほどの美人が物語初期のドライバーに我慢するとは思えないのである。
 また、周囲がいい人だらけだ。悪い人というのは、先程書いた冒頭の客ぐらいだ。ちょっとやりすぎなのである。この手のいい人だらけの話はどうにも流行っているらしい。
 御子神さんに付随して起こる変化もちょっとやりすぎだ。最後は「そこまで?」と思ってしまう。もとの勤の設定から予想できるだろう。あまりやってしまうと、この映画で癒されたいと思っている人々に絶望を与える気がするのだか。
 小説のなかくらいいいじゃないかと思う、とこの手の話を読んだ後に人々は言うのだろう。ただ、過去に戻れなくてもいいじゃないか、と私はおもわせて欲しいのだ。現実の私たちは過去には絶対戻れないのだから。

 猫の可愛さと女性陣の美しさが光る。これだけで、私などはまあまあの人生だと思えるのだが。
 竹山が、普段のキャラクターと反対の反対の性格の人物を見事に演じきっていた。本当にボロが出てなかった気がする。それだけでも見て欲しいなあ。

基本情報

監督:亀井亨

脚本・原作:永森裕二 脚本:イケタニマサオ

御子神さん:みーすけ

間瀬垣勤:カンニング竹山

間瀬垣真亜子:鶴田真由

間瀬垣瑠璃:山下リオ

丹羽仁美:芦名星

松本スミエ:室井滋

宗形誠二:内藤剛志

真泉平:高橋長英

沼尻崇:甲本雅裕

炎悟:水木一郎

 

 

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