人間には三大欲求が存在する。この三つは、避けるべからざるものである。
三大欲求とは、「食欲」「性欲」「睡眠欲」である。
一昔前は、奔放にこの欲求に身を委ねるほうがよいとされてきたようにおもう。
今では、抑制的であるほうがよいとされる。
「食欲」はもちろんである。一億総ダイエット時代に突入している。もしかすると、忘れた頃に「本当はダイエットしたほうがよいという科学的エビデンスはない」とか言い出すかもしれない。故立川談志の言葉に「どうして医学はこうも遅れたかねえ」というのがあるが、医学の常識は話半分だと思ったほうがよい。すべてに「らしい」をつけるくらいでちょうどよい。
「性欲」もそうだ。
少子化を解決したほうがいいと言っておいて、不倫をすると怒られるのである。「相手が配偶者でなかったのは残念だが、その意気やよし」くらい褒めてもいいではないか。
だが、現実はまったく逆で、やはり抑圧的であったほうがよいのである。
近代になって、このように縛りの強い婚姻制度が作られた。法的に夫婦は管理されるようになった。たまにどうしてこういう制度にしたのかと考える。
以前は、こういう制度はよっぽどモテない男が考えたのだろうと思った。多夫多妻だと、モテる男女が総取りしてしまう。平等に配偶者が行き届くように作ったのだ、と。
ただ、流行りの不倫、リベンジポルノの記事を読むにつけ、本当は違うような気がしてきた。まずは婚姻関係がこんなに固定的でないという設計図だったのではないか。どんどん離婚し、結婚しなおすような社会を考えていた。もうひとつは、もう愛人がいるのが暗黙の了解である設計図。
全ての制度は管理する側の都合に合わせて作られる。だから、愛人が暗黙のうちにいる設計だと、管理がしにくい。徴兵などがしにくいのである。
やはり、どんどん離婚してもよいような設計だったのではないかと思う。
いや、やっぱり「モテない男が設計した」方が夢があるので、そちらを支持したい。
それにしてもああいうのを読んでいると思う。
もう不倫は配偶者がいる同士に限定しろと。もちろん、やれとけしかけたいわけではないが。
もともとああいう性格の若い子だったのかはわからないけれども、目も当てられない気がするのである。
配偶者がいる同士が、リスクを承知で「遊ぶ」もの。それだけにしなさい。
私はやる気はないけれども。
複雑な人間関係にはもう耐えられない。
とはいっても、流されるのが人間だが。そのときは全部精算するだろう。
だいたい、不倫するとき「妻と別れて結婚したい」は禁句である。
読んでいて、バカなんじゃないかと思った。
さて、三大欲求の最後、「睡眠欲」である。
これは調査によって、最適な睡眠時間はマチマチである。長かったり、短かったり。
ただ言えるのは、予防医学系の言うところは、平均値の話であって、これがその人にとっての最適解であるかは別の話である。ショートスリーパーやロングスリーパーなど、個人差が大きい。その点を考慮して、最後は個人責任でやらねばならない。
医学でも経済でもなんでも、個人差に目を向けないと効果が出ない段階になってきた。
最後は個人差の問題で、四の五の言ったって、我慢できないものはできない。それが人間の業というものでもある。