昨日買い物をしているときだ。
前に並んだ老婆が自動精算機で決済をするのに、クレジットカードを使っていた。しかし、使い方を理解していないらしく、店員さんに使い方を聞いていた。
それを見ていて、「どうしてこのおばあさんは使い方も理解していないのにカードを使っているのだろうか」と思った。
アイスを買っていたので、「溶けるがな」とちょっと焦った。
カミさんと買い物をしていたので、それを帰りながら話をした。
どうしてだと思う、と聞くと、どうしてだと思う、と聞き返されたので、私見を述べた。
「たぶんね、クレジットカードが好きなんだと思うよ」
FPかなんかの話で、こういうものがあった。
ある家族がいた。この家族貯蓄ができない、という話であった。収入はそれほど低くない。だが、原因の一つ目が、食費の管理があまりにも杜撰だということだった。子どもが二人居るのだが、子どもも含めて、食べたいと思ったものを食べたいときに食べる主義だといって、デリバリーでも何でも駆使して、金に糸目を付けず食べていたそうだ。
もう一つが、クレジットカードで日常的な買い物の決済も行っていたことだ。
得だと喧伝するサイトもあるが、それは収入がある程度ある層だろう。一般的な家庭だとそうではない。一番堅実なのは、現金を財布に入れて、増減を管理するのがいいのだそうだ。一回払いだとお得だ、とかいうことを言っているサイトもあるが、意味不明である。金利分などは企業が負担するので得なのである、という論法だが、最終的に消費者に跳ね返るだけである。
ということで、この家族はさまざまな生活費削減を開始するのだが、やはりクレジットカードは手放せないようだった。資金の収支が確認しやすい制度のカードを見つけてきてやはり使っているそうだ。こうなると、「この人たちはカードが好きなんだろう」ということで、FPも引くしかない。
きっとこのおばあさんもそのタイプなのだろうと私は思った。
しかし、妻が言うには、「お子さんかお孫さんが持たせたんじゃないの、現金を持たせると不安だから」が理由なのではないかと。
確かに、収支が子どもに届くようにすれば、管理がしやすい。だが、スキミングなどのカード詐欺を考えると、それが得策であるかはわからない。
アメリカはカード社会だが、それは治安が悪いこと、そして偽札が多いことが大元の理由だと思う。現金で支払っているところを誰かに見られたら、そのあとどんな目に遭うか・・・・・・。映画の見過ぎか。
映画のバーで酒を頼んで、適当な金額の紙幣をカウンターにほっぽり出すのはかっこいいなあ。本当のアメリカだと、カウンターにカードを投げるのだろうか。絵にならねえ。
でも、複数人で食事に行って、一〇〇〇円程度のランチの決済をするのに、全員がカードを出して決済するらしいから、あながちバーでもそうなのかもしれない。
どうして老婆を見かねたのかというと、昼間どこかで振り込め詐欺の防止のアナウンスを警察署がやっていて、もう被害が止まらないのか、いやに具体的かつ詳細な情報提供をしていたからだ。なんとか「健康組合」などを名乗る団体がやってきて(電話してきて?)、この場合キャッシュカードを巻き上げるのが手口なのだそうだ。
どちらがお得というより、むしろ周囲から浮かない行動をとるのも、歳を取ってからは必要なのではないか、と思ったのだ。目を付けられたら、あの手この手でお金やらカードやらをだまし取られてしまう。だから、被害が止まないのである。
つうか、独身税より子ども保険より、そうやって地下に潜っちまった金を合法的に徴収して子育てに使った方が、良いと思うのだが。金の動きなんて、全部分かっちまうと思っていたが、そう考えると抜け道なんていくらでもあるのだろう。
北に行ってたりして。
追記
カード決済の割合についての各国の比較について調べてみました。
<朝礼ネタ>「欧州はカード決済が多いのに対し、日本は現金決済が主流である理由」 - Biz STYLE
アメリカでも五割程度。案外少ない、と思ったのは私だけでしょうか。
日本人の外国話って、だいたいその国の普通よりもアッパークラスの話が多いので、注意が必要だと思っています。だって、ヒスパニック系の移民が決済を全部カードでやってるとは思えないものね。
このページでは、アメリカはカード社会という前提で話してますが、それなら決済割合が八割くらい行ってないと。