残暑お見舞い申し上げます。
まさりんです。
昨日の夜はずいぶんと涼しくて、ほっと一息でしたな。今日も、三五度には届かず、まあまあの陽気でした。そんな日になったので、日曜日でしたが、思い切って行ってきました。
日曜日でもしかすると混雑すると予想されたので、ちょっと早めに行って、開場直後に鑑賞をしようと、上野に向かいました。
上野の森美術館で開催されていました。
ここは以前、木梨憲武が展覧会を開いていた場所です。
開演十五分くらい前に会場に到着しました。こんな様子でした。
これは会場の前はこんな感じで、ほかにも数十人ならんでいました。ただ、鳥獣戯画展のようには混雑はしていませんでした。展示をひと通り見て、出てきたときには列は解消されていました。会場入りまで、開場十五分くらいで入れました。
日曜日の午前中だったので、午後はどうなったかわからないけれども、お盆でもそれほど混んでいないと思います。
さて、ここから作品の解説です。例によって、文章のみでお送りします。
大河原邦男さんといえば、「ガンダム」ですよね。ガンダムのモビルスーツのデザインをした人です。その他にも多くの作品のメカニックデザインをしています。「ヤッターマン」も大河原邦男さんです。
それぞれの時代の話題になった作品を手がけているので、「大河原さんのデザイン」=「アニメにおけるメカニックデザインの変遷」といっても過言ではありません。
作品は四つのパートに分かれています。それぞれを簡単に紹介しましょう。
1,メカニックデザイナーとしての黎明(七〇年代)
一九七二年、「科学忍者隊ガッチャマン」のメカニックデザインで大河原氏はデビューします。このころというより、すべてのデザインはおもちゃを作る前提となっているのでしょう。この頃の超合金のおもちゃを思い出させる、デザインでした。この時期にすでに「ヤッターマン」が登場しています。ガンダムは別として、すべての時代を通じて、この「ヤッターマン」のデザインが個人的に好きです。
「ヤッターマン」って、なんかちっちゃなメカがあるでしょう。そうそう、「ビックリドッキリメカ」。あれのデザインもされてるんですね。あれがキュートでよかった。全体的に言えるのは、あのちっちゃい奴が良いと思いました。
2,リアルロボット大フィーバー(八〇年代)
ここでは「ガンダム」、「ボトムズ」、「レイズナー」等が登場します。でも、ガンダムに頼り切っていないところが良かったです。ここではより実際の機械に近いデザインになります。もちろん、現実にはガンダム等々は実在しません。でも、実際にあれば、こういう感じになる・・・・・・。違いますね。なんか生きものに近いんですよね。
意外だったのは、「トランスフォーマー」と「グリコのおまけ」のデザインをしていたことでした。あと、デザインをしていないのに、「Zガンダム」の雑誌表紙用の絵を描かされていたことです。
3,ヒーロー、コミック、そしてリアル(九〇年代)
正直言うと、九〇年代になるとあまり作品としては思い入れのあるものがなくなってきます。「勇者エクスカイザー(一九九〇)・「機動戦士Vガンダム」(一九九三)・「勇者王ガオガイガー」(一九九七)などのデザイン画が展示されます。
八〇年代よりもさらにスタイリッシュになっています。人間の筋肉を思わせるフォルムになります。と同時にSDガンダムのようなデフォルメされた作品もあります。やはりデフォルメされたものの方が良いと思いました。
4,21世紀、永遠のスタンダード
「機動戦士ガンダムSEED」「機動戦士ガンダムビルドファイターズ」などなど、最近の作品でも、デザインをされています。
たぶん、このパートだったと思うんですけど、実際に大河原さんがガンダムの絵を描いている映像が流れていました。絵はポスカで書いていました。絵が塗られている全部の作品はポスカで塗られていました。小学校の頃には絵を描いていましたが、それは水彩画でした。ポスカを使ったこともあります。でも、あれだけ、濃淡のついた繊細な色彩を作るのはすごいです。
すべてを見て思ったのは、大河原さんは職人なんですね。もちろん、大河原さんのタッチというのは存在するのですが、それ以上にクライアントの注文を描ききるということに力が入っていて、芸術家のような妙なこだわりがなくて、それがとても良く伝わりました。だからこそのデザインの量なのだと思いました。