学生の長期休暇になると繰り返し放映されるので、この春の「ジブリ祭り」が、covid-19と関係があるのかはわかりません。しかし、我が家では、ニュース媒体を見る時間を極力減らしているので、その代わりのものを視聴する必要があります。
我が家で報道以外で見るものを挙げると、BSプレミアムの「英雄たちの選択」、「アナザーストーリー」、「こころたび」です。まあ、ドキュメンタリーに近いバラエティといえばいいですかね。そんなものか、映画を見ることが多いです。
映画はHDDレコーダーが片っ端から録画していてくれます。おかげで、見たくもない映画チャンネルの宣伝まで録画してしまいます。
先々週の金曜日は、「魔女の宅急便」をやっていました。
ストーリーはもう書く必要がないと思います。
魔女の修行として見知らぬ街にやってきたキキ、そして猫のジジ。二人はパン屋さんの店番を手伝う代わりに、離れを家に、そしてパン屋さんの軒先を借り、宅急便を始めます。キキは空を飛べるからその能力を利用するのと、当時のスポンサーであったクロネコヤマトにおもねるためであるとことはいうまでもありません(嘘。原作が先)。
すったもんだあって、あるおばあさんに、「その日、孫娘がパーティーをしているので、そこにパイの包み焼きを届けて欲しい」という依頼を受けます。オーブンの調子が悪いのを、キキは一生懸命手伝って、包み焼きをつくり上げ、届け先に持って行きます。途中、雨にも降られます。
一生懸命つくって届けたのに、当の孫娘は迷惑そうにそれを受け取ります。
「おばあちゃんの料理は古い」とか言っています。
料理は古いか新しいかで判断するのではなく、おいしいかまずいかで判断するのだということを、両親から教わらなかった、不幸な孫娘でした。
雨に打たれたせいで、キキは大風邪を引いてしまいます。
風邪から治ると、空を飛べなくなります。
そして、猫のジジとも話せなくなります。
今回見るまで、飛べなくなったのは、キキが風邪を引いたからだと思っていました。もしくは思春期で、大人に脱皮するために必要な過程なのだと。
しかし、空は再び飛べるようになるのですが、ジジとは話せないままです。
これが不思議でならなかったのです。
今回見ていて気づきました。
それはキキがジジと話せなくなったのではなく、ジジがキキと話せなくなったのだと。
ジジが話せなくなったのは、恋をしたからです。
幼少期を抜けて恋をするのは、大人になった証拠です。こうなると、子どもの頃にあった不思議な力がなくなるのです。その一つが人間との会話だったわけです。
だから、再び飛べるようになっても、キキはジジの言葉が分からないのです。なんなら、キキから見て、ジジははっきりと話しているのが口の動きから分かるのに、そのあとはニャーと鳴いている形しかわかりません。それはジジが人間語を話していないからです。
そんなつまらないことをこの緊急事態のさなかに気づいてしまいました、とさ。