やっと余裕が出てきた、わけでもなく、待つ時間を持て余したので、年末やっていた「タイガー＆ドラゴン」の一挙放送や、「麒麟が来る」の見てなかったものを一気視聴をした。だいたい、比叡山の焼き討ちの直前当たりからだ。
この大河、派手なシーンは使えない。大人数で派手な合戦シーンなどは密になってしまう。
合戦のような派手で時間が食うシーンがないからか、ダイジェストのような展開になってしまっている感は否めない。
また、代役として登場した、帰蝶役の川口春奈が人気が出たのはいいが、撮影スケジュールが延長されたので、あまり出てこなくなってしまった。
しかし、真田丸に比べて、役者の演技に頼るところが大きい気がした。間がきちんとあって、表情などの微妙な演技がきちんとなされていた。
それにミステリー的な要素が強かった。
クライマックスは本能寺の変なのはわかりきっている。
問題は明智光秀がどうして謀反に至ったかである。
「野望説」
「怨恨説」
「秀吉（家康）黒幕説」
「足利義昭黒幕説」
「四国説」
「源平説」
がよく言われている。
今のところ、「麒麟が来る」では、すべてが理由であるという描き方になっている。
また大きな要因として、「光秀の性格」という部分が強く打ち出されている。
光秀はどうしてか信長の頭越しに行動する。
会いたければ天皇とも会う。信長が天皇に尊崇の念を抱いている。
もともとは信長配下と幕臣を選べ、と信長に言われ、幕臣を選んだ光秀。幕府が瓦解した後の立ち位置はよくわからない。表面的には信長の家臣だが、当の光秀はそう思ってないのかもしれない。
だから、「自分が誰に会おうとも、それは信長には関係ない」と思っているのかもしれない。
義昭は京の都から追放された後に、安芸の鞆の浦にいる。毛利の世話になっている。そこに光秀が訪れる。毎日毎日義昭は鯛を釣っている。一緒に光秀は糸を垂れる。そこで光秀は義昭に言う。
「信長様は私が説得します。一緒に京に帰りましょう」
義昭は答える。
「信長のいる京には帰りとうない。お前一人の京なら帰るがな」
と義昭はじっと光秀を見つめる。
このとき相手が秀吉ならば、
「滅相もござりません」
といって恐縮しておいて、信長に伝えるだろう。
だが、光秀は驚いた、まんざらでもない、という表情を浮かべる。
光秀はもしかすると、信長を見下しているのかもしれない。自分の方が上である、と。
我褒めの意識が表情に出てしまっている。
少々、調子に乗っている。
主人公なのだから仕方がないと思って見ていたが、皆が皆、明智十兵衛をべた褒めするのである。天皇ですら頼りに思っている。
その言葉には当然裏がある、と思うのが普通であるが、十兵衛はまっすぐ受け入れる。
この性格が謀反の要因の一つとして描かれている気がするのである。
なんにせよ、一月三十一日の今夜、本能寺の変である。
すべてが明らかに･･････、ならないかもしれない。
ＰＳ:次回だった。
